テスラは、新しい自動運転機能「ASS=アクチュアリー・スマート・サモン(Actually Smart Summon)」を北米のユーザー向けにリリースしました。この機能は、2024年9月2日に配信されたソフトウェアアップデート2024.27.20に含まれており、既存の「スマートサモン」機能を大幅に改良したものです。
テスラは、ソフトウエアアップデートのリリースノートでASSの機能説明を次のように記しています。
「人生最高の乗車体験の準備をしてください。驚くことに、あなたは車に乗っていません。ASSは、あなたの車を自動であなたのもとに呼び寄せたり、あなたが選んだ場所に向かわせたりすることができます。まるで魔法のようですが、これはテックを使っており、杖を振る必要はありません」
ASSの主な機能は以下の2つです。
「COME TO ME」: ボタンを長押しすることで、テスラ車をユーザーの現在地まで呼び出すことができます。
「GO TO TARGET」: ユーザーが指定した目的地を設定し、ボタンを長押しすることで、テスラ車をその場所に向かわせることができます。
使用方法は、テスラアプリの「サモン」タブを開き、車載カメラからのライブフィードを確認しながら操作を行います。これにより、ユーザーは車両の動きをリアルタイムで監視することができます。
(リリースノートの引用は以上)
イーロン・マスクが2022年に約束して、ようやくリリースされた最新のスマートサモン。この機能は公道では使えず、駐車場などの私有地でしか使えませんが、早速SNS上では、興奮気味のテスラオーナーによってASSのテストドライブの動画がアップされはじめています。イーロン・マスクも「アクチュアリースマートサモンはホット」とのコメントをポストしました。
過去のスマートサモンでは、距離の誤判断や障害物の見落としなどによりテスラが他の駐車車両に接触するなどの問題が報告されていました。テスラは今回のアップデートにおいてこれらの問題に対処したとし、既存の「スマートサモン」機能を「ダムサモン(Dumb Summon)」と改名、モバイルアプリ上の簡単な操作で車両を前後に動かす機能として格下げにしました。
テスラによると、ASSは超音波センサーではなく、カメラを使ったビジョンシステムを採用しているとのことです。これにより、周囲の環境をより正確に認識し、障害物や他の車両、歩行者を効果的に回避することが可能になったとしています。
現時点で、ASSはHW4/AI4を搭載した最新のテスラ車両のみで利用可能ですが、テスラは将来的にHW3搭載車両にも展開する予定であるとのこと。
テスラCEOのイーロン・マスク氏は以前、この機能がFull Self-Driving(FSD)バージョン12.5と共にリリースされると述べていました。今回のアップデートでは、FSD v12.5.3も同時にリリースされています。
このASSは、現在のところ北米のみでのリリースであり、日本を含むその他の地域でのリリースに関しては情報がありません。