2025年1月27日に日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表したレポートによると、インドの電気自動車(EV)市場が2024年も力強い成長を示しています。インド道路交通・高速道路省の統計サイト(VAHAN)の集計では、2024年の国内新規登録台数(新車と中古車の合計)は、前年比27.2%増の194万9827台と過去最高を記録しました。
その内訳は、二輪車が114万8949台(33.5%増)、三輪車が69万1342台(18.4%増)、四輪車など※が10万9536台(24.2%増)となっています。
二輪車市場では、前年比33.5%増となる114万8949台が登録され、オラ・エレクトリックが40万7607台で市場を牽引しています。TVSが22万678台、バジャジが19万3557台と続き、上位3社で市場の大半を占める構図となっています。
三輪車市場も前年比18.4%増の69万1342台と好調で、マヒンドラ&マヒンドラが6万6507台で首位となりました。YCエレクトリックが4万3979台、バジャジが4万1909台で続いています。日系メーカーでは、テラ・モーターズが8766台を記録し、着実に実績を積み上げています。
四輪車市場では、タタ・モーターズが6万7631台と圧倒的な存在感を示しています。ジェトロの分析によると、特に注目すべきは上海汽車傘下のJSW・MGモーターの躍進です。同社は手頃な価格帯の小型EVを投入し、前年比2.3倍となる2万1631台を記録しました。これにマヒンドラ&マヒンドラが7818台、BYDが2920台、PCAが1875台、BMWが1215台と続いています。
市場関係者によると、2025年は各社から新モデルの発表が相次ぐ見通しで、消費者の購買意欲も高まることが期待されています。特に、これまで限定的だった中国系メーカーの存在感が増していることから、市場競争の活性化も予想されます。こうした要因から、インドのEV市場は今後も堅調な成長を続けるとみられています。
※四輪車やバス、トラックなど
(データ出典)インド道路交通・高速道路省の統計サイト(VAHAN)
メイン画像:アルバートホールジャイプールの前を走る電動三輪車(オートリキシャ)(iStock.com/Sunil Yadav)