中国の電気自動車・スマートフォンメーカーであるシャオミの雷軍CEOは2025年7月2日、2027年から国外でのEV販売について検討する方針を明らかにしました。
ロイターによると同CEOは、現在好調な受注状況を受けて、当面は国内市場への集中が必要だと説明しています。シャオミが展開するEVセダン「SU7」と電動SUV「YU7」の受注が想定を上回るペースで推移していることが、この判断の背景にあります。

シャオミは6月26日にYU7の発売を発表しましたが、YU7は25万3500元(約500万円)からの価格設定で、発売開始から3分間で20万台の注文を獲得し、18時間で24万台以上の確定注文(返金不可の注文)を記録する異例の成功を収めました。この驚異的な受注ペースは、中国市場におけるシャオミのEVブランドへの高い期待を示すものといえます。
しかし、この好調な受注状況は新たな課題も生み出しています。シャオミはYU7の購入者に対して、実際に車両を受け取るまでに1年以上の待機期間が必要になると通知しており、これが顧客からの不満の声につながっています。
シャオミの国外展開時期が2027年に設定されている背景には、現在の生産能力と需要のバランスを考慮した戦略的判断があります。国内での圧倒的な需要に対して生産体制を整備し、安定した供給体制を構築した上で国外市場への展開を図る方針とみられます。