2023年11月30日(日本時間12月1日)、テキサス州オースティンでサイバートラックの納車イベントが行われました。EVcafeでは「サイバートラックについて、知っておきたい10のこと」と題して、いま、世界がもっとも注目するEV、サイバートラックに関するQ&Aを日替わりでお届けします!
Q9 で、サイバートラック、ぶっちゃけ評判はどうなの?
A 相変わらずの賛否両論です。テスラーにとっては、やはり値段が一番のポイントみたい。
各方面から注目されていたサイバートラックの納車イベントが行われた日の翌日(12月1日)、NASDAQでテスラ(TSLA)の株価は0.52%下落し、238.72ドルで取引終了ました。しかし、この下落はTSLAにとっては些細なものにすぎません。2019年のサイバートラック初披露の翌日、TSLAが6%も下げたことに比べれば「何も起きなかった」と言ってもいいほどです。実際、12月6日現在(日本時間)、TSLAは238.72ドルとサイバートラック納車イベント前日の水準と変わらない株価になっています。つまり、株式市場のサイバートラックへの評価は、取りあえず「大成功でも大失敗でもない」。
それでは、北米のテスラーの反応はどうでしょう? 「サイバートラックオーナーズクラブ」のフォーラムを覗いてみると、過去に予約金100ドルを支払ってサイバートラックを予約した人たちの本音が続々とポストされています。
まずは納車イベント直後の感想をいくつか紹介します。
「正直なところ、サーバートラック(CT)初披露のとき、テスラにとってこれ以上悪いことはないと思った。でも、ここシカゴで初めてCTを実際に見たんだ。納車待ちの行列に並ぶのが待ち遠しいよ」
「このトラックは革命的かも知れない、あるいは、私たち皆がイーロンのカルト催眠術にかかってしまっただけなのかも知れない。私の友人たちは、私が100ドル支払って予約したと聞いて、私のことをクレイジーだと言った。買ったと言えば笑われ、ドライブウェイに置いてあるのを見れば首を振られることは分かっている。しかし、CTに乗ってみれば、私の決断がいかに素晴らしかったかを認めるしかないはずだ」
「値段はクソ高いけど、僕はCTのトライモーターを予約したんだ。4年間も待っていたなんて……。もう後には引けない。モデルYパフォーマンスに乗っていて、いまの下取り価格を考えると、CTのための予算が足りない。でも、今さらデュアルモーターに変えるなんて考えられないよ」
「値段が高い。話が違うよ! 3万ドルの値上げはクレイジーだ。イーロンはガソリン車と競争したいと言っていたはずだが、彼らはEVトラックの価格レンジに合わせて値段を決めたよね」
という具合に「値段が高い」ことがメインの話題になっていることが分かります。
改めて、正式に発表されたサイバートラックの価格を紹介しましょう。
RWDモデル(1モーター):6万990ドル(約900万円)
AWDモデル(2モーター):7万9990ドル(約1185万円)
サイバービースト(3モーター):9万9990ドル(約1480万円)
ちなみに、2019年の予約開始時店の想定価格は以下の通りでした。
1モーター:3万9900ドル(約594万円)
2モーター:4万9900ドル (約743万円)
3モーター:6万9900ドル(約1040万円)
各モデルとも、3万ドルも価格が上がっています。そして日本ではもっとヒドい。折からの円安の影響も半端ないのです。2019年当時、ドル円は110円ぐらいでした。それが今では150円ほどになっている。つまり、3万9900ドル(約438万円)という想定で予約したCT(1モーター)が、実際に納車するタイミングになったら900万円になっていた。皆さん、どうします?
また、CTの納車イベントでは明言されなかった重要なオプションがあります。それはFSDの扱いです。今回発表されたCTの価格には、FSD(フルセルフドライビング)のオプションは含まれるのか? それとも別料金なのか? 判然としません。
現在、テスラはFSDの完成に近づいているという観測があります。クリスマスのソフトウェアアップデートでFSD完成版が配られるかも知れないという予測があります。FSDオプションは、購入すると1万ドルぐらいします。これが、車両価格に含まれるか含まれないかは大きな違いです。
CTフォーラムには、その点をCT予約者たちに問いかける投票もありました。
CTの最上位モデル「サイバービースト」を予約した人に質問。価格にFSDが「含まれる」「含まれない」であなたの予約は変化しますか?
関係ない。とにかくキャンセルする。 19.4%
テスラはCTを買って欲しければ、サイバービーストにFSDを含めるべきだ。 15.3%
私は何があっても買うつもりだし、予約をキャンセルする人が出るのは嬉しい。 59.7%
テスラが(現在乗っているテスラ車から)CTへのFSD移行を許可してくれれば、現在の価格での購入を検討するかもしれない。 11.1%
「何があっても買う」というテスラーが60%近くいる一方で、「キャンセルする」という人も20%ほど。残りの人たちはFSDによって気持ちが変化する可能性ありってことみたいです。(合計が100%ではありません)
さて、このFSD問題、テスラが配信する次のソフトウェアアップデートがカギを握っているような気がします。サイバートラックに限らず、すべての車種にとってFSDがどうなるのか、本当に配信されるのか?
2023年、最後の最後に残ったテスラの重要案件と見て間違いないでしょう。