高級車ブランドのキャデラックは、2024年7月22日に未来のカスタムメイド電気自動車の可能性を探求する新たなコンセプトカー「SOLLEI(ソレイ)」を発表しました。同社は、このオープンカーで顧客の個性や情熱を反映した究極のラグジュアリー体験を提案しています。
SOLLEIは、太陽を意味する「SOL」とレジャー(余暇)を表す「LEI」を組み合わせた造語で、オープンエアの贅沢な走行を楽しむライフスタイルを象徴しています。2+2シートの電動コンバーチブルとして設計され、キャデラックの特徴である55インチのピラーツーピラースクリーンや、印象的なインテリア、到着時と出発時に演出される照明の演出、直感的な前後のコマンドコンソールを備えています。
キャデラックのデザインディレクター、エリン・クロスリー氏は「SOLLEIは、新たな旅の発見をもたらし、周囲の自然界とつながるパーソナライズされたドライビング体験をイメージしています」と語り、現代的な形で高級オープンカーの伝統を継承していると説明しています。
外観デザインは、キャデラックの大胆なプロポーションを踏襲しつつ、低く伸びたボディラインと広いスタンスが特徴的。シームレスな表面処理と伸びやかなAラインが車体の長さを強調し、ヘッドランプからテールランプまでを一本の線で結ぶミッドボディラインが調和のとれたデザインを生み出しています。
インテリアは「旅のアート」という哲学に基づいて設計されており、ドライバーと同乗者の両方に贅沢な旅の体験を提供。手作業で設えられた木製ベニヤや、126色から選べるアンビエント照明など、細部にまでこだわりが感じられます。
また、SOLLEIでは、オーナーの趣味を反映し、それぞれの個性に合わせたカスタムメイドが可能です。今回発表されたコンセプトは、ユニークなインテリアアクセサリーでバードウォッチングの愛好家に対応したモデルとなっています。
高級感と耐久性を兼ね備えたカスタムブラッシュドメタルとレザーラップケースには、3Dプリントされたアクリル製のバードコール(鳥の鳴き声を再現するツール)、鳥のイラストが描かれた革製日記帳、ペンと鉛筆を収納するための革製ツールロールがあり、それぞれが車両のインテリアに合わせてカスタムメイドされています。運転だけでなく愛好家が自身の趣味をより楽しめる機能を持ったカスタムメイドが特徴です。
さらに、SOLLEIでは環境に配慮した素材も使用。マッシュルームレザーを製造するアメリカのマイコワークス(MycoWorks)社が開発したキノコから生成されるバイオベース素材「Fine Mycelium™」を採用し、持続可能な自動車資源の開拓にも挑戦しています。
キャデラックは、このオーダーメイドEVのコンセプトカーをミシガン州ウォーレンにあるGMのグローバルテクニカルセンター内の新施設「キャデラックハウス・アット・バンダービルト」で公開。過去の象徴的なキャデラックモデルから着想を得つつ、現代的なデザインをオープンエア形式で提供するというブランドのビジョンを示しました。