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ウーバーがテスラのスーパーチャージャー責任者を雇用

 ライドシェア大手のウーバーは、電気自動車(EV)への移行を加速するため、テスラでスーパーチャージャーチームを率いていたレベッカ・ティヌッチ氏を雇用したと、米ブルームバーグが報じています。

 ティヌッチ氏は2024年9月16日付でサステナビリティ部門のグローバル責任者に就任し、ウーバーのゼロエミッションプラットフォームへの移行を監督します。ウーバーは2040年までに全世界でEVのみを使用することを目指しており、ドライバーや配達員にEVへの切り替えを積極的に促しています。

 その一環として、ウーバーは中国の自動車メーカー、BYDと提携し、北米以外の地域で10万台のEVを導入する計画です。また、ニューヨークのスタートアップ、itselectricに出資し、路上充電システムの全米展開も支援しています。

ウーバーとBYDが10万台規模の業務提携
ウーバーはBYDと10万台規模の業務提携

「レベッカの経験は、我々のチームにとって信じられないほどの財産になるでしょう」と、ウーバーのライドシェア事業トップのアンドリュー・マクドナルド氏は社内メールで述べています。

 テスラでは、ティヌッチ氏はリビアン・オートモーティブ、フォード、ゼネラルモーターズなどの自動車メーカーと充電ステーション提携を成立させました。これにより、数千人のドライバーがテスラの独自ネットワークであるスーパーチャージャーにアクセスできるようになりました。

「レベッカは非常に有能なリーダーです。彼女とそのチームの働きのおかげで、EVオーナーはより信頼性が高く、再生可能な充電にアクセスできるようになりました」と、ティヌッチ氏とテスラの充電提携を実現させたGMの戦略・イノベーション担当シニアバイスプレジデント、アラン・ウェクスラー氏は言います。

ティヌッチ氏は、多くの自動車メーカーとテスラの充電ステーション提携を成立させた
ティヌッチ氏は、テスラで多くの自動車メーカーとの充電ステーション提携を成立させた(提供元:Tesla, Inc. )

 ウーバーは、2023年第1四半期末時点で、米国とカナダのライドシェアトリップマイルの8.2%、ヨーロッパでは9%がゼロエミッション車両で行われたと発表しています。まだ道のりは長いものの、着実にEV化は進んでいるようです。

 一方、ティヌッチ氏が去ったテスラでは、CEOのイーロン・マスク氏が大規模な人員削減の一環としてスーパーチャージャーチームを大幅に縮小しました。約500人のチームが解散させられたのです。1年前の投資家向けイベントでマスク氏と共に登壇したティヌッチ氏は、CEOの下で活躍する幹部の中でもわずか2人の女性の1人でした。優れた充電インフラビジネスを築いていたテスラにとって、チームの解散は衝撃的な出来事でした。

イーロン・マスク氏は、人員削減でスーパーチャージャーチームを大幅に縮小
イーロン・マスク氏は、人員削減でスーパーチャージャーチームを大幅に縮小(提供元:Tesla, Inc. )

 さらに、テスラは10月に発表予定のロボタクシー計画によって、ウーバーのライバルとなる可能性があります。しかしウーバーのダラ・コスロシャヒCEOは、8月の決算発表で「ウーバーはすべての自律走行車メーカーにとって不可欠なパートナーになる」と述べ、懸念を払拭しました。

 ティヌッチ氏は声明の中で、「ウーバーは、より持続可能な未来を加速させる可能性を秘めた多くのテクノロジーの中心にいます」と述べています。「電気自動車、自律走行、ロボティクスは、私たちの排出量を大幅に削減する可能性を秘めています。ウーバーはこの移行を加速できる立場にあるのです」

 ウーバーは、ティヌッチ氏の豊富な経験と実績を武器に、EVへの移行を加速させていくようです。ライドシェア業界だけでなく、持続可能な交通の実現に向けた大きな一歩となるかもしれません。

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