電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第13回
by じんべい
2024年のテスラ最重要イベント”ロボタクシー発表”、その株価への影響は?
こんにちは、じんべいです。
テスラファン、テスラ投資家が待ち望んだ、今年最重要とも言えるテスラのロボタクシー発表イベント開催まで、いよいよ20日を切りました。
来月のロボタクシーお披露目に向けて、テスラは急ピッチでその開発を進めています。過去1カ月で、テスラの完全自動運転システム(FSD)やロボタクシーに関する新たな情報が続々と発表されています。
テスラAIチームは9月5日にFSD関連の新たなソフトウェアのリリース計画を発表しました。その内容は以下です。
2024年9月
- V12.5.2(介入が必要とされるまでの距離が約3倍改善)
- AI3コンピュータでV12.5.2(AI3とAI4の統合モデル)
- Actually Smart Summon
- サイバートラックのオートパーク(自動駐車機能)
- サングラス対応の視線追跡
- 高速道路でのエンドツーエンドネットワーク
- サイバートラックFSD
2024年10月
- FSDでの駐車、アンパーク、リバース機能
- V13(介入が必要とされるまでの距離が約6倍改善)
2025年1月〜3月
- ヨーロッパと中国でFSD導入(規制承認待ち)
このように、テスラは10月のロボタクシー発表に向けて、これから続々とFSD関連の新機能を追加、また大幅な機能改善を予定しています。
テスラAIチームが9月5日にXで発表したFSD関連の新たなソフトウェアのリリース計画
特に楽しみなのは、9月の高速道路でのエンドツーエンドネットワーク実現、10月のFSDバージョン13の導入、そして来年1月から3月でのヨーロッパと中国でのFSD展開ですね。予定通りにこれらの新機能が実装となれば、ロボタクシー導入準備は整ったと言えるでしょう。
さらにイーロンは、テスラAIチームの投稿に返信する形で、「規制当局の承認待ちだが、うまくいけば右ハンドル市場向けは第1四半期末か第2四半期初めに対応できる見込みだ」と述べています。
上手くいけば来年FSD前半には、イギリスやオーストラリア、また日本などの国においてもFSDがリリースされるかもしれませんね。
テスラ株価は10月10日がピークで、その後下落する?
イーロンはXへの投稿で10月10日は、モデル3の発表以来、テスラにとって最も重要な瞬間になるだろうと述べました。
2016年3月31日に発表されたモデル3は大衆市場向けの初のEVとして、世間の注目を集めました。発表後、数週間で予約が40万件を超えたとも言われています。10月のロボタクシー発表はそれよりもテスラにとって重要な瞬間になるとイーロンは言っているのです。
となると、テスラ投資家としては、10月10日のイベントが株価上昇の大きな材料となることを期待せざるを得ないですね? テスラの株価は、ロボタクシー発表イベント後、大暴騰となるのでしょうか。
現在、テスラは株式市場において絶好調です。過去3カ月のパフォーマンスにおいて、上昇率は30%という驚異的な数字を記録。他の大型ハイテク銘柄を大きくアウトパフォームしています。過去3カ月では、今年前半好調だったエヌビディアを超える上昇率を叩き出しています。
テスラの9月25日時点での株価は254ドル。今年7月10日に263ドルを付けた後、下落。そしてまた最近、株価は250ドル台にまで戻してきています。テクニカル的に見れば、直近の高値263ドルまで戻す可能性は十分にあります。
では、2016年のモデル3発表前後のテスラ株価はどうだったのか。当時の株価は次のような推移をしています。モデル3発表イベントを控えた2カ月前あたりから株価は急上昇。イベント後に株価は上昇のピークを迎え、その後急落。同年の12月頭まで株価は半年ほど下落が続きました。
もし歴史は韻を踏むとしたら、2016年と同様のことが今回も起こるかもしれません。つまりは、新モデルのロボタクシー発表日まで株価は上昇を続け、イベントが終わるとその後株価は急落する。このようなシナリオです。
「噂で買い、事実で売る」という相場格言があります。
これは噂や期待が高まると株価が上がり、実際にその事実が発表されたときには株価が下がることを意味します。つまり現在、投資家はロボタクシー発表イベントに対する期待で株を買っていて、イベントを終えた時点でテスラ株を売るという投資行動を取る可能性があるということです。
テスラ投資をする方は、テスラ株価が今後、上昇そして下落というシナリオを描く可能性があることもあらかじめ頭に入れておく必要があります。そうすれば、思わぬ株価の変動によって、慌ててテスラ株を売ってしまうという衝動的な行動を避けることができると思います。
ロボタクシー発表イベント後にテスラ株価が上昇する条件とは?
先日、米投資銀行のモルガン・スタンレーが投資家宛に発行したレターで、10月10日のテスラのロボタクシー発表に関して、同行が注目している3大ポイントを紹介しました。その3つのポイントとは以下になります。
モルガン・スタンレーによるテスラ・ロボタクシー発表に関する3大注目ポイント
安全性:テスラの自動運転車両技術と人間の運転技術の安全性を比較したデータが投資家に提供されるかどうか。
改善:投資家がFSDの最近のバージョンにおけるパフォーマンスの変化を十分に把握できるかどうか。
方法論:投資家がFSDやサイバーキャブの自動運転技術のさらなる改善を促進する重要な技術について何を学べるか。
モルガン・スタンレーはこのように、テスラの自動運転技術の安全性、人間との比較、最近のFSDのパフォーマンス改善、さらに自動運転技術の重要な改善に関する情報を、投資家が十分に把握できるかが大事だと述べています。
私としては、上記のモルガン・スタンレーが提示するポイントに加えて、10日10日にテスラが次の3つの項目を実行してくれることが、テスラ株がイベント後も上昇を続ける条件だと考えています。
- ロボタクシーが人のドライバーなしで、送迎から駐車、充電、決済まで、自動運転配車サービスに必要な全てのプロセスをこなせるというデモンストレーションを見せる。
- ロボタクシー導入までの具体的なロードマップを示す(いつどこでロボタクシーを量産、販売開始するのか)。
- ロボタクシービジネスが将来テスラの業績をどれだけ押し上げるのか、その収益予想を公開する。
もしテスラが、10月10日に上記3つを投資家の前で披露すれば、ロボタクシー事業に対する期待がさらに高まり、テスラ株は上昇となるはずです。
さらに付け加えるならば、10月にはロボタクシー発表イベント以外にもう2つ、投資家にとって重要なイベントがあります。それは、10月2日に発表予定の第3四半期の販売台数結果と20日ごろに実施されると考えられる第3四半期の業績発表です。
このテスラの業績に関する2つの発表が市場予想を上回る結果となれば、10月もテスラ株価は上昇を続ける可能性があります。
このQ3の納車台数と業績結果については、また次回以降の記事で解説させていただきたいと思います。
文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約1万7000人。 X(Twitter)フォロワー数:約8000人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。