トヨタ自動車は、2025年9月3日、チェコ共和国コリン工場において新型電気自動車(BEV)の生産を開始すると発表しました。
この新型BEVは、トヨタのヨーロッパ工場で生産される初のBEVとなります。生産開始に向けて、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ共和国(TMMCZ)のコリン工場は、現在の15万2000平米から17万3000平米に拡張されます。
工場拡張では、新型車両とバッテリーの生産に対応するため、新しい塗装・溶接工場が建設される予定です。また、新たなバッテリー組立工場の建設も計画されており、大規模な投資が実施されます。この投資により、地域で245人の新規雇用が創出される見込みです。チェコ政府はこの投資に6400万ユーロ(約111億円)を支援し、国家への利益は2億5000万ユーロ(約434億円)に達すると見込まれています。
TMMCZは現在、アイゴXとヤリス ハイブリッドを年間約22万台生産しています。BEV生産の導入により、マルチパス生産体制の潜在能力が高まることが期待されています。部品の大部分をチェコ共和国で調達するため、サプライチェーンにも同様のメリットをもたらすとしています。
TMMCZは2002年に合弁会社として設立され、20年以上にわたって450万台以上の車両を生産してきました。トヨタは2021年に完全所有権を取得し、現在約3200人の従業員を雇用し、供給部品の65%をチェコ共和国で調達しています。
同日、チェコ共和国政府庁舎で行われた式典には、ペトル・フィアラ首相、ルカーシュ・ヴルチェク産業貿易大臣、中田喜宏TME社長兼CEOが出席しました。
トヨタは2040年までに欧州でカーボンニュートラル事業を実現するという目標を掲げており、今回の決定は多角的な戦略をさらに展開するものとなります。同社は2035年までに西欧で販売されるすべての新車のCO2排出量を100%削減することを目指しています。