テスラは2025年9月29日、カリフォルニア州レッドウッドシティで初の次世代V4スーパーチャージャー(V4キャビネット搭載)を正式にオープンしたと発表しました。この新しい充電ステーションは最大500kWの充電速度を実現し、従来のV3スーパーチャージャーの250kWから2倍の性能向上を達成しています。
新しいV4キャビネットは、400V-1000Vの幅広い車両アーキテクチャに対応し、特にサイバートラックでは従来より30%高速な充電が可能となります。技術的な改良も顕著で、電流は従来のV3の425Aから615Aへと31%増加し、電圧対応範囲もV3の最大500Vから1000Vまで拡大されたと、テスラはXで発表しています。
効率性とコスト面でも大幅な改善が図られています。V4キャビネット1基で8つの充電ポストを稼働できるため、V3の4基と比較して設置効率が2倍向上しました。これにより設置面積と複雑性が削減され、より迅速な展開が可能となります。テスラ充電部門北米ディレクターのMax de Zegher氏は「8基の充電ポストでも99%の時間で1MW未満の電力で最大充電を提供できる」と説明しています。また、電力効率は96%を超え、V3から2%の改善を実現し、1基あたりの設置コストは4万ドル以下を目標としています。
V4キャビネットの導入は、電気自動車業界の充電インフラに革命をもたらす可能性があります。180V-1000Vという広範囲な電圧対応により、テスラ車両だけでなく他メーカーのEVも効率的に充電できるようになります。テスラは2025年から本格的な展開を予定しており、現在許可申請手続きが進行中です。さらに、この技術はテスラの大型トラック「セミ」の1.2MW充電にも対応しており、商用車分野でのEV普及加速も期待されています。


