IoT機器の開発企業のNatureは、電気自動車の充電用コンセントをIoT化するスマートEV充電コントローラー「Nature EV Switch」を法人向け商品として発売しました。
Nature EV Switchは、既設のEV充電用コンセントと分電盤の間に設置し、内蔵のLTE通信機能でクラウドシステムと連携します。スマートフォンアプリ「Nature Home」から、充電状況のモニタリング、遠隔操作、タイマーや天気予報に応じた自動充電が可能になります。主な機能は、充電の遠隔操作、充電状況の可視化、そして充電の自動最適化の3つです。
同社代表取締役の塩出晴海氏は、10月31日に横浜のみなとみらいで開催された記者会見で自身のEV利用経験を振り返り、「自宅がある神奈川県の葉山からオフィスの横浜まで週2回通うと、1回で約10kWh、月に200kWhほど消費します。これは一人暮らしの電力消費量に匹敵する量です」と、EVの電力消費の大きさを強調しました。その上で、「だからこそEVがどう使われているかを把握することが重要になる」と述べ、充電状況の可視化機能の意義を説明しました。

同製品の特徴的な機能として、同社のHEMS「Nature Remo E」シリーズと連携することで、ブレーカー落ちを防止する機能があります。一般家庭の契約アンペアが40〜60A程度であるのに対し、EVの充電は200Vで16Aと契約容量の大部分を占めるため、他の電気使用と重なるとブレーカーが落ちるリスクがあります。Nature EV Switchは家庭全体の電力消費をモニタリングし、契約容量を超える恐れがある場合は自動で充電開始時間を調整したり、充電を停止したりします。
また、太陽光発電との連携機能も注目されます。塩出氏は「売電価格が15円、買電価格が35円という状況では、自家消費した方が1kWhあたり20円得になります。週50kWh消費すると、年間で最大5万円ほど電気料金を削減できる」と、経済効果の大きさを強調しました。

Nature EV Switchは単相AC200V 50/60Hz 16Aに対応し、防雨型でIP44相当の防水・防塵性能を備えています。LTE-M通信を標準搭載しており、ネットワーク設定は不要。設置には電気工事および外壁または外構工事が必要で、壁への埋込設置、露出ボックスを活用した取り付け、屋外電源コンセント支柱への設置が可能とのことです。
同製品は、東京都の「戸建住宅向け充電設備普及促進事業」における「外付け通信機器」に該当するため、東京都在住者は申請により要件を満たせば機器代全額が助成対象となります。


