ラスベガスの新交通システム「Vegas Loop」が、2024年内にテスラのFSD(完全自動運転)の導入を開始する計画であることが明らかになりました。ラスベガス観光局(LVCVA)のスティーブ・ヒル会長兼CEOが、「ラスベガス・レビュー・ジャーナル」紙に語っています。
Vegas Loopとは、イーロン・マスク氏が設立したボーリング・カンパニーが手がける地下トンネル交通システムです。現在、ラスベガス・コンベンションセンター内の3つのステーション間と、リゾーツ・ワールドまでの路線が稼働中です。このシステムでは、テスラの電気自動車が地下の専用トンネルを走行し、乗客を目的地までスムーズに輸送するもので、現在はドライバーが運転して乗客を運んでいます。
今回の大きなニュースは、このVegas LoopにテスラのFSD(完全自動運転)技術を導入する計画です。「今年の終わりまでに、ドライバー支援ツールとして、軽度な自動運転の開始を希望しています」とヒル氏は語っています。FSDは、テスラが開発中の高度な自動運転技術で、最終的には人間の運転手なしで車両を操縦することを目指しています。
しかし、完全な自動運転の実現にはまだ時間がかかるようです。ヒル氏は、「システム内での完全自動運転の実装にはまだ具体的なタイムラインはありません」と付け加えています。
一方で、Vegas Loopの拡張工事は着々と進んでいます。ラスベガス・コンベンションセンターの北に位置するウェストゲートのステーションが間もなくオープンする予定です。また、コンベンションセンターからアンコールホテルへのトンネル掘削も進行中で、ラスベガス大学(UNLV)エリアでも新たなトンネル工事が始まっています。
Vegas Loopの完成時には、93のステーションを結ぶ総延長約109キロ(68マイル)のトンネルネットワークが形成される予定です。このシステムは、ラスベガス・ストリップやダウンタウン、近隣地域をカバーし、将来的にはハリー・リード国際空港(旧マッカラン国際空港)へのアクセスも計画されています。
「Vegas Loopは、ラスベガスの交通インフラとして非常に重要な役割を果たすことになるでしょう」とヒル氏は強調しています。この新しい交通システムは、ラスベガスの慢性的な交通渋滞を緩和し、観光客や地元住民の移動をスムーズにすることが期待されています。
Vegas Loopについてはドナルド・トランプも賞賛。その対談は以下の記事で紹介しています。