テスラは、全車両に高度な人工知能アシスタント「Grok」を搭載する方針を明らかにしました。イーロン・マスクCEOがゲーム配信中に明かしたもので、その機能によってユーザーは自然な会話でテスラ車両と対話できるようになります。
Grokは、イーロン・マスクが経営するxAI社が開発した大規模言語モデル(LLM)。X(旧Twitter)プラットフォームからリアルタイムの情報を取得できる点が特徴で、最新のニュースや情報に基づいて応答を生成することが可能です。
米国のテスラ情報専門メディアのnot a tesla appによると、新機能では、Googleアシスタントのようにナビゲーションの設定から車両制御まで、幅広い操作を音声で実行できるようになる見込みです。例えば「充電ポートを開けて」「寒いので暖房を入れて」といった自然な会話形式での指示に対応します。また、FSDが使用可能な米国などでは「混雑していない最寄りのレストラン」を探して自動運転で案内するといった高度な機能も提供される可能性があります。
GrokはテスラのサーバーもしくはxAIのサーバー上で動作し、インターネット接続を介して利用する仕組みとなります。そのため、IntelプロセッサやRyzenプロセッサを搭載した全てのテスラ車両で利用可能となります。ただし、第1世代のMCUを搭載した車両での対応については現時点で不明です。
サービスの提供形態については、月額10ドルのプレミアムコネクティビティパッケージに含める案や、X社のプレミアム会員向けサービスとする案、完全無料化する案など複数のオプションが検討されているとのこと。
提供開始時期について具体的な発表はないものの、テスラとxAIは、数カ月前からこの機能の実装に向けた準備を進めており、2025年前半、あるいはそれより早い段階でのリリースが期待されています。
写真提供元:Tesla, Inc.