東京都の小池百合子知事は、2025年4月17日、自動運転技術に取り組む民間企業との意見交換会を開催しました。
意見交換会には、米国で自動運転タクシーを運行する「Waymo」、ソフトバンクとトヨタの合弁会社「モネ・テクノロジーズ」、自動運転ソフトウェア、Autowareの開発を主導するディープテック企業「ティアフォー」、東京大学生産技術研究所の技術を基礎とした「先進モビリティ」の4社に加え、自動運転推進区域に指定されている港区、江東区、品川区の3区長が参加しました。
Waymoのヒロシ・ロックハイマー取締役は、自社の自動運転技術の安全性について説明し、東京都内での自動運転サービスの早期開始に意欲を表明しました。同社は今週から日本交通とGOと提携して、東京都心7区の公道における自動運転車両でのデータ収集のため有人走行をスタートしています。

意見交換に先立ち、小池知事は3区長とともに「レベル2」(運転手が手を離した状態で自動運転が可能なレベル、状況に応じて運転手の操作介入が必要)の自動運転車に試乗。東京ビッグサイト(江東区)周辺の公道を走行し、試乗後、「自動運転に不安はなかった、むしろスムーズで快適でした」と感想を述べました。

東京都は、バスの運転手不足や高齢化などの課題を背景に、2024年7月に有明やお台場などのベイエリアを自動運転の推進区域に設定。2025年の1月から3月には、一般向け無料移動サービスとして、モネ・テクノロジーズのMONET(トヨタのミニバン「シエナ」をベースにしたレベル2の車両を使用)を東京臨海副都心(有明・台場・青海地区)で運行しました。
東京都は2030年頃までに都内8地域程度で「レベル4」(場所や天候、速度などの特定条件下での完全自動運転)の先行導入を目指しており、2040年代には都内全域での自動運転普及を計画しています。
今回の意見交換会で小池知事は「以前、自動運転の車に結構長距離乗らせていただいたが、そこに運転士がいないことを忘れるくらい。人間には目が2つしかないがここには45個ついていると言われるとなるほどなと思う」と技術の進化に改めて感銘を受けた様子。一方で「何かの問題が1回起きると、次にジャンプする際の大きな課題になるだろうし、何よりも安全性を確保するということが重要。それをデータなどの技術で克服できればと思っている」と、今後の展開に期待と課題を示しました。


