米議会の共和党議員が、電気自動車(EV)に対する連邦税額控除を2025年12月31日で終了させる法案を提出しました。新たに公開された法案の草案には、新車EVに対する7500ドル(約110万円)の税額控除と、中古EVに対する4000ドル(約60万円)の控除を廃止する内容が含まれています。
法案によると「2009年12月31日から2025年12月31日までの期間に、その車両の製造業者が米国内で20万台以上販売した場合、2025年12月31日以降に使用開始された車両は、新しいクリーン車両として扱われない」としています。これはつまり、テスラやGMなど既に20万台以上を販売している主要EVメーカーの車両が、この税額控除から除外されることを意味します。
さらに共和党議員らは、クリーン車両控除、商業用クリーン車両控除、そして代替燃料車両給油施設財産控除も同じく2025年12月31日に終了させることを提案しています。ただし、これはまだ法案の草案段階であり、詳細や期限は変更される可能性があります。実際に施行されるためには、下院と上院の両方を通過する必要があります。

この提案が実現すれば、急成長中の電気自動車市場に大きな影響を与える可能性があります。7500ドルという税額控除は、高価格帯にあるEVの購入を検討する消費者にとって大きなインセンティブとなっており、これが撤廃されると購入意欲の低下につながると専門家は指摘しています。
影響はアメリカ国内の自動車メーカーだけでなく、日本のトヨタや日産など、米国市場でEV戦略を展開している海外メーカーにも及ぶ可能性があります。特に電動化に多額の投資を行っている自動車メーカーにとって、市場の急激な冷え込みは大きな懸念材料となるでしょう。
今後、この法案をめぐる議論は活発化すると見られ、自動車業界や環境団体からの反応も注目されます。トランプ政権は就任以来、環境規制の緩和や化石燃料産業の支援を進めてきた経緯があり、この共和党議員らの提案はそうした政策方針と整合する動きとも考えられます。電気自動車産業の今後の展開に大きな影響を与える可能性がある法案として、引き続き注視が必要です。




