EV充電インフラを全国展開するテラチャージは、2025年8月20日、新たに104億円の資金調達を完了したと発表しました。これにより、シリーズDラウンド全体では総額204億円(前半100億円、後半104億円)の調達となり、同社の累計調達額は261.4億円に達しました。
今回の調達はエクイティとデットによる調達で、みずほ銀行、あおぞら銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行をはじめとする金融機関が引受先となっています。調達した資金は、EV充電器の設置拡大、人材採用、開発、海外展開に活用される予定です。
同社は企業・自治体などの施設向けにEV充電器の設置・運用を提供するとともに、EVユーザー向けに充電器の利用・決済ができるアプリ「Terra Charge」を展開しています。2022年4月にEV充電インフラ事業を立ち上げ、2025年3月末時点で日本国内でのEV充電器設置数は1万5000口を突破しています。
政府は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、EVの普及とEV充電インフラの拡充を推進しており、経済産業省は2030年までにEV充電器を30万口設置する目標を掲げています。現在の設置数は約6万8000口となっており、充電環境の整備が急務となっています。
今回、引受先となったみずほ銀行は、EV化推進において、充電インフラの整備不足が消費者のEV購買意欲を制限している現状を課題として認識。この社会的課題の解決に取り組む企業への支援を重要視しています。また、三井住友信託銀行も、テラチャージのEV充電インフラ事業を政府のEV普及政策における「極めて重要な役割」を担う分野として位置づけ、「現代社会が直面する環境問題の解決にも資するもの」と評価しています。
テラチャージの徳重社長は「EV充電インフラの整備は、日本が再び世界をリードする産業を築くための重要な鍵だと考えている。単に社会の変化を受け入れるのではなく、未来を自らの手で切り拓く責任がある」と述べ、今回の資金調達について「日本発の新産業が世界で戦い抜くための挑戦に対する意味ある共感をいただいた」と位置付けています。