※2023年10月17日の日本初披露を受け、初出時より内容を一部更新しております。
ソニー・ホンダモビリティは、日本で初となる「AFEELA Prototype」の一般展示を、2023年10月に開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において行うと発表しました。ソニーがEVを手がけたことで、注目されるAFEELAとは果たしてどんなEVなのでしょうか?
本記事ではソニー・ホンダモビリティが発信してきたいくつかのニュースリリースをもとに、AFEELAについて紹介していきましょう。
ソニーグループによる本格的なEV開発は、かねてから噂を呼んでいましたが、ソニーと本田技研工業との間でモビリティ分野における戦略的提携に向けての基本合意がなされたのは、2022年3月4日のことでした。高付加価値型のエレクトリック・ビークル(EV)の共同開発・販売と、モビリティ向けサービスの提供を合わせて事業化することで、モビリティ業界における変革をリードしていくという点で2社は合意。同年の6月16日には、両社間で「ソニー・ホンダモビリティ株式会社」の設立に関する合弁契約が締結されました。
![ソニー・ホンダモビリティ株式会社の代表取締役 会長 兼 CEO 水野 泰秀氏(右)と代表取締役 社長 兼 COO 川西 泉氏](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-0.54.00.png)
お客との接点、商品投入計画
2022年10月13日に、ソニー・ホンダモビリティは、お客との接点と、商品投入計画を以下のように発表しました。
▪商品の販売やアフターサービスのみならず、バリューチェーン全体でお客様との関係を長く深くするための、リアルとデジタルを融合させた新しいサービスを提供。
▪ 商品の所有に関わらない、ブランドに共感していただける仲間が集うコミュニティづくりを目指し、さまざまな産業を支えるパートナーと新たな体験価値創出に向けた協業に取り組んでいく。
▪ 販売はオンライン中心とする予定で、お客様とダイレクトに繋がり続けるネットワークを構築。商品開発プロセスへの参加を呼びかけ、販売後もパーソナライズされた顧客体験を個々に提供し続ける。
▪ SHM 第 1 弾の商品は、2025 年前半から先行受注を開始し、同年中に発売を予定。最初にデリバリーする地域は北米(2026 年春)を想定し、その後に日本(2026 年後半)を計画。
▪ 拠点をHondaの北米工場を予定。
モビリティとサービスの方向性、技術的な取り組み
そして、ソニー・ホンダモビリティは、モビリティとサービスの方向性、技術的な取り組みとした会社の方向性において、ソニーとHondaがこれまで個々で検討してきた、モビリティの進化への貢献・リードという考えをベースに、SHM としての高付加価値型 EV のコンセプトを 3A(Autonomy =進化する自律性、Augmentation =身体・時空間の拡張、Affinity= 人との協調、社会との共生)に集約しました。サービスの方向性は、双方向性のあるモビリティ社会と新しいエンタテインメントの創出をベースに、車載ソフトウェアからクラウド上のソフトウェアまで一貫した統合的なフレームワークを用い、モビリティを移動体験サービスと捉え、サービス全体のアーキテクチャを設計していくイメージとして市場に伝えました。
![](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-0.54.32-2000x1115.png)
ソニー・ホンダモビリティが次に発表したのは、米国ネバダ州ラスベガスおよびオンラインで現地時間2023年1月5日より開催される「CES® 2023」にて、初披露された新ブランド「AFEELA」(アフィーラ)のプロトタイプでした。
![「AFEELA」プロトタイプ](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/hero-2000x1125.jpg)
![AFEELAのインテリア](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/interior-2000x1125.jpg)
現地時間1月4日(水)に行った記者会見おいて、代表取締役 会長 兼 CEO 水野 泰秀氏が登壇。以下の内容を会場でスピーチしました。
![「CES® 2023」でスピーチをする代表取締役 会長 兼 CEO 水野 泰秀氏](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-0.48.39.png)
「CES® 2023」での水野 泰秀CEOのスピーチ内容
- SHMは企業パーパス「多様な知で革新を追求し、人を動かす」のもと、創造性で未来を切り開く人々とともに、最先端の技術と感性を掛け合わせ、“Mobility Tech Company”としてモビリティの革新を追求していく。
- 新ブランド「AFEELA」を発表。人とモビリティの新たな関係を提案するプロトタイプを初披露した。
- 安心安全の実現に向け、今回のプロトタイプには車内外に計45個のカメラ、センサー等とともに、最大 800TOPSの演算性能を持つECUを搭載。
- リアルとバーチャルの世界を融合していくことで、移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張。その一例として、Epic Gamesとモビリティにおける新しい価値観やコンセプトの検討を開始。
- 本プロトタイプをベースに開発を進めていき、2025年前半に先行受注を開始、同年中に発売を予定。デリバリーは2026年春に北米から開始する。
- モビリティのインテリジェント化を進めるため、AD/ADAS、HMI/IVI、テレマティクスなど、主要機能にQualcomm TechnologiesのSnapdragon Digital ChassisのSoCを採用予定。次世代のモビリティ体験の実現に向けて、戦略的な技術パートナーシップを築いていく。
- モビリティサービスおよびエンタテインメントの新たな価値創出に向け、Epic Gamesと協業開始する。
また、「CES® 2023」の会場では、人とモビリティの新たな関係を創るというソニー・ホンダモビリティのビジョンが体感できるデモンストレーションが行われ、多くの来場客にモビリティの新たな体験を提案しました。
デモを体験した人々からは「素晴らしい音、ゲーミングの体験ができました。車内体験が素晴らしいものになるのでは」というコメントも聞かれ、新たなモビリティの提案に対する期待が高まりました。
![「CES® 2023」の会場で注目を浴びるAFEELA](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-0.42.50-1.png)
デモンストレーションで提案した体験は、以下の動画で見ることができます。
ソニー・ホンダモビリティは、「CES® 2023」にAFEELAとして初めて参加し、以下の3メディアより賞を受賞しました。
Android Authority|Best of CES 2023 Awards
https://www.androidauthority.com/best-of-ces-2023-awards-3264046/
The Verge|Best car of The Verge Awards at CES 2023
https://www.theverge.com/23542177/verge-awards-ces-2023-best-tv-laptop-smart-home-car-monitor
WIRED|The Best of CES 2023
https://www.wired.com/gallery/best-of-ces-2023/
2023年の3月には、大反響となった「CES® 2023」以降、初となる「AFEELA Prototype」の展示を、ソニー・ピクチャーズ スタジオ(米国カルフォルニア州ロサンゼルス)で実施。来場した複数のクリエイター、テクノロジーカンパニーの人々と対話の機会を持ちました。
![ソニー・ピクチャーズ スタジオでのAFEELAの展示](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-1.07.15.png)
![クリエイターたちとAFEELA についての対話を重ねました](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-1.07.08.png)
テクノロジーによって移動空間を感動空間へと拡張することを追及するAFEELAは、Daft Punkの音楽的アプローチに深く共感。2023年5月17日、ソニー・ピクチャーズ スタジオ内にあるソニーイノベーションスタジオ(米国カルフォルニア州ロサンゼルス)で開催された10周年アルバム「Random Access Memories 10th Anniversary Edition」のイベントに、ソニーの立体音響技術で没入感のある音楽体験を可能にする360 Reality Audioと共に参画し、「AFEELA Prototype」に搭載された360RA対応のサウンドシステムによって彼らの楽曲に包まれるプレミアムなリスニング空間を提供しました。
![Daft Punkの10周年アルバム「Random Access Memories 10th Anniversary Edition」のイベントでのAFEELA](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-1.11.22.png)
そして、2023年6月には、世界最先端の半導体を開発するQualcommのカリフォルニア本社のロビーで、Qualcomm社員に向けたミートアップイベント「AFEELA|Experience at Qualcomm」を開催。
![AFEELA|Experience at Qualcomm](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-09-05-1.18.33.png)
ソニー・ホンダモビリティは、2023年10月17日に特別イベント「Meet AFEELA」を虎ノ門ヒルズステーションタワーTOKYO NODE HALLにて実施し、一般公開に先駆けAFEELA Prototypeを日本で初披露いたしました。
![ソニー・ホンダモビリティがAFEELA Prototype を日本披露](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/10/スクリーンショット-2023-10-18-23.07.56-2000x1118.png)
AFEELA Prototypeのスペックは以下となります。
【AFEELA Prototype Specifications】
全長 192.7in (4895mm)
全幅 74.8in (1900mm)
全高 57.5in (1460mm)
ホイールベース 118.1in (3000mm)
駆動方式 AWD
乗員人数 5人
タイヤサイズ Front: 245/40R21 Rear: 275/35R21
サスペンション Front: Double Wishbone Rear: Multi Link
![AFEELAのスペック](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/スクリーンショット-2023-10-18-22.54.07-2000x724.png)
そして、2023年10月26日より開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において、日本で初となるAFEELA Prototypeの一般展示が行われます。「人とモビリティの新たな関係を創る」というソニー・ホンダモビリティのビジョンが体感できる一般展示では、ソニーとHondaが考えるモビリティの未来を見ることができるはずです。
![](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/09/2023-830_JMS_DeskTop_rev.jpg)
JAPAN MOBILITY SHOW 2023 | AFEELA ブース
日時:2023年10月26日(木)~11月5日(日)
場所:東京ビックサイト(東4・5・6ホール内)
JAPAN MOBILITY SHOW 2023 WEB SITE: https://www.japan-mobility-show.com/
AFEELA 公式ウェブサイト