2023 年 7 月 2 日のテスラによる発表では、 2023年の第 2・四半期にテスラは47万9700台の車両を生産し、46万6140台の車両を納車、過去最高の販売数を記録しました。その内訳は、「モデルS」と「モデルX」の生産が1万9489台、納車が1万9225台で、「モデル3」と「モデルY」の生産が46万211台、納車が44万6915台でした。テスラは、2023年の7月19日に2023年第2・四半期の財務結果を発表する予定です。
ロイター通信の発表によると、このテスラの第 2 ・四半期の売上は、リフィニティブがまとめたアナリスト予想平均台数の44万5000台を上回り、過去最高を記録しました。前期比で10%、前年比では83%の増加で、テスラの積極的な値下げと、米政府のEV購入向け税控除措置が追い風となったようです。
また、テスラは、第2・四半期は納車台数に対して1万3560台の生産超過、その超過幅は前期の1万7933台からは縮小しています。ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏が「テスラにとって値下げは巧みな一手となり、特に中国市場で多大な成果をもたらしつつある」と指摘しているように、この販売数を支えているのは、「モデル3」と「モデルY」を生産する中国・上海ギガファクトリー製モデルの売上でもあります。
東南アジアとカナダへの輸出を担っているテスラの上海ギガファクトリーは、競合他社に対するコスト優位性を保つためにも極めて重要な工場で、昨年、「モデル3」と「モデルY」を合計で約71万1000台生産するとともに、最大生産能力を年間100万台強に引き上げ話題となりました。
7月4日に中国乗用車協会(CPCA)が発表したデータによると、第2・四半期のテスラの中国製(上海ギガファクトリー製のモデル)の販売台数は24万7217台で、「モデル3」と「モデルY」全体の納車台数44万6915台の半分以上を占めています。6月に販売した上海モデルは9万2680台、新型コロナウイルス封じ込め措置の影響から脱し、上海のギガファクトリーが「モデル3」と「モデルY」を7万8906台納車した前年から、同月比18.72%増の販売台数となりました。
タイの工場に続く海外拠点としてブラジルへの新工場設立を発表して話題となったばかりの、中国メーカーBYDも、6月の販売台数は前年同月比88.16%増の25万1685台と急増。テスラとBYDの第2・四半期の中国製EV販売台数は、ともに過去最高となったのです。また、CPCAは、BEVとプラグインハイブリッド車を含む新エネルギー乗用車の6月の中国製総販売台数(輸出含む)が、前年同月比30%増の74万台になった推計値も示しめしていて、テスラのみならず、中国製EVの生産・販売力が世界的なEV普及に影響を与えていることを表しています。