日産自動車は、7月19日に、2024年から北米全域で1万2000台以上のテスラ・スーパーチャージャーが利用可能となる北米充電規格(NACS)の採用を発表しました。これにより日産は、フォード 、GM 、リヴィアン、ポールスター 、ボルボ 、メルセデス・ベンツに続くNACS採用の大手自動車メーカーとなり、NACS対応を発表した最初の日系自動車メーカーとなります。日産は、同社が掲げるモビリティの長期ビジョン「Nissan Ambition 2030 」の一環でもある「2030年に米国で発売するEVの販売構成比を40%以上にする」という目標に向けて、強力な充電インフラを手に入れ、今後、EV化をより加速していくこととなります。
以下が、Nissan USAからの今回の発表です。
日産、アリアと将来のEVモデルに北米充電規格(NACS)を採用へ
日産は、テスラと、2025年から北米充電規格(NACS)を採用することで合意しました。日産は、NACSへの今後の製品対応を発表した最初の日系自動車メーカーとなります。
2024年以降、日産は、現在DC急速充電のためのCCS1(Combined Charging System 1)を搭載しているアリア向けに、NACS充電アダプターを提供。顧客は対応する充電器のNACSプラグに車両の充電ポートを接続できるようになります。
日産は2025年から、米国およびカナダ市場向けにNACSポートを備えたEVの提供を開始。 これにより、ドライバーはテスラ・スーパーチャージャー・ネットワークでの充電がシームレスで便利になり、日産EVを充電できる公共の急速充電ロケーションの数が大幅に増加することとなります。
日産アメリカズ会長のジェレミー・パパンは、次のように述べています。
「NACS規格の採用は、『Nissan Ambition 2030 』の長期ビジョンである電動化拡大に向けて、電動モビリティをより利用しやすいものにするという日産のコミットメントを示すものです。日産のEVドライバーに、さらに数千基の急速充電器へのアクセスを提供し、長距離の移動を計画する際の信頼性と利便性を高めることができることを嬉しく思います」。
また、「Nissan Ambition 2030 」の一環として、日産は2030年までに米国での自動車販売台数の40%以上を完全な電気自動車にすることを目標としており、さらに多くの自動車を電動化する予定です。これには、2025年後半からミシシッピ州カントンの日産工場で組み立てられる2台の新型EVも含まれます。
NISSAN official U.S. Newsroom 掲載リリースより
「Nissan Ambition 2030 」と日産電動化の加速
今回の発表において、日産アメリカズ会長のジェレミー・パパンが触れている、「Nissan Ambition 2030 」とは、2021 年 11 月に日産が発表した、モビリティとその先を強化するための新しい長期ビジョンのことです。このビジョンで日産は、環境、社会、顧客の重要なニーズに応え、よりクリーンで安全、より包括的な世界を目指して、真に持続可能な企業になると同時に、2050 年までにカーボンニュートラルとゼロエミッション車を達成し、どこにいても誰もが電気自動車を利用できる使命を掲げています。
日産は、「Nissan Ambition 2030 」の一環として、2030年までに15車種のEVを含む23車種の電動化計画を予定していましたが、2023年2月に電動化をさらに加速させるため、計画を見直してモデル数を増やし、2030年度までに、EV19車種を含む27車種の電動化車両を新たに導入することを発表しました。その結果、2030年までの日産およびINFINITIブランド全体の電動化比率目標は、グローバルで55%以上となったのです。
今回のリリースでも述べられているように、電動化車両の普及の進展に伴い、日産は、2030年に米国で発売するEVの販売構成比を40%以上にすることを目標としています。「Nissan Ambition 2030 」に関わる、この目標を実現するために、北米とカナダでドライバーがEVをより使いやすい環境を作るには、NACSのスーパーチャージャー充電網が必要と、日産は判断したのです。
日産のNACS対応の展開に関する詳細は、後日お知らせとの事。日産からの詳細発表が待たれます。
「Nissan Ambition 2030 」の詳細は以下のサイトで