by EV ちゃんねる らいあん
2023年9月8日、東京のテスラ新宿にて新型モデル3のプレス発表会が開催されました。「ハイランド」ことテスラの新型モデル3は、旧モデルから50%もの仕様変更が行われるという大幅アップデート。デザイン、内装、運転性能すべてがアップデートされた白の新型モデル3の国内初披露です。
さて、モデル3はどんなところが進化したのでしょう? 新型モデル3の変更点を説明していきます。
まず外装と性能のアップデートからです。
🔳サイズと重さ
全長4720m x車幅1850mm(ミラー無し)x車高1441mm。
旧モデルは4690mmx車幅1850mmx車高1440mm。
新型は旧モデルより少しだけ長くなり、高さは1mm増加。幅は変わらずなので旧モデルと同様、多くの機械式駐車場には入れられそうです。
重量は全体的に少し重くなっています。
RWDモデルは1610kg(旧モデル)から1765kgへ。
ロングレンジは1730kg(旧モデル)から1828kgへ。
🔳航続距離
航続距離は伸びました。
RWDモデルは491km(旧モデル)から513kmへ。
ロングレンジモデルは602km(旧モデル)から629kmへ。
🔳エクステリア
新色登場!
「ウルトラレッド」と「ステルスグレー」という光源や見る角度によって変化するようデザインされた新色が導入されました。ウルトラレッドは現行モデルSやモデルXにありましたが、ステルスグレーはテスラのどのモデルにとっても新色です。
デザイン変化による快適さ向上
空気抵抗を表すCD値が0.22から0.219となりました。外からのノイズが全体的に軽減され、騒音が30%減、衝撃音が25%改善、ロードノイズが20%改善されています。
フロントの大幅デザイン変更
フロントバンパー
フォグライトとサイドベントがなくなり非常にシンプルに。サイドベントのかわりに下の開口部の横側から空気を流すようになりました。
ボンネット
フロントウィンドウ近くに少しリップができ風を上に突き上げてくれるため、ウインドウに当たる風が軽減されて静かに。
フランク
フランクを開いた時に、ウォッシャー液を入れる口が旧モデルより前方に変更になりました。とサイドベントがなくなり非常にシンプルに。サイドベントのかわりに下の開口部の横側から空気を流すようになりました。
リアのデザインも大幅変更
ライト形状
リアテールライトはコの字のような形になり、テスラのTのエンブレムではなくTESLAというロゴになりました。
ディフューザーの形の変更
モデルYに似た形となりました。ディフューザーの下にはフィンが装着されて風の流れを整えるような形へ。また、
ディフューザーの両端には方向指示器、リバースライト、フォグライトが装着されました。
リアハッチオープンの形状の変更
テールライトが固定される形に。また、リアトランクを開けた際にディフューザーにもターンシグナルがつくようになりました。
トランク
トランク右側にあったサブウーファーがなくなり、トランク容量が561Lから594Lにアップ。サブウーファーがトランク上部に2つ付きました。
🔳足回り
航続距離を伸ばすためにホイールが新しくなりました。スポークの本数は変わりませんが、よりスポークがねじれた形になり、タイヤ周辺の色が黒になりました。
新型サスペンション導入
今までのモデル3のスポーティーな感じから少しソフトになりました。
そして、次に内装の変更点を見ていきましょう。
今回の変更の50%の大半はこちらの変更であったとも言えるほど変わり、かなり快適性が向上するアップデートとなりました。
🔳ドア部分
アコースティックガラスと呼ばれる2層ガラスになってもっと静かに。フロントドアのスピーカー部分には車線変更を行うときに車が近くにいるときに光るブラインドスポットインディケーターが装備されました。また、新しいドアヒンジ、ロック、ストライカーにより、より高い基準でサイド構造を改善。
ドア下にフックのようなものができ、そこでもボディー側と合わさるようになったのでドアの剛性が上がっています。それにより、ドアのクローズの音が少し厚みのある音になりました。
🔳運転席
シート
ヒートシーターのみではなく風を送れるベンチレーテッド機能が付きました。また、シートの幅も少しワイドになって背中のボルスターサポートが改善されました。
ステアリングホイール
テスラのTエンブレムではなくTESLAというロゴに変更。形状も変更され、より多機能なステアリングホイールになりました。
方向指示器がスタークレバーではなく、ステアリング上に設置されたボタンになりました。また、ワイパーやカメラボタン、オートパイロット機能もボタンになりました。シフトレバーはなくなり、現行のモデルSやモデルXと同じく、センターディスプレイでシフトチェンジするようになりました。
🔳助手席
グローブボックス
グローブボックスのドアは薄くなり、閉めるときはマグネットでくっつくような閉まり方になりました。
センターディスプレイ
15.5インチのサイズは一緒ですがベゼルが少し小さくなりました。HW4(ハードウェア4)搭載となり、さらに画面のレスポンスが良くなり、それに伴い、カメラの解像度が上がりBluetoothやWi-Fiの性能が向上しました。
🔳インテリア
内装素材に関しては全体的に素材の変更が行われてプレミアム感がでている印象です。 ロングレンジモデルのみですが、アルカンターラが内装に使用されていて高級感があります。素材としてはソフトタッチのものが使用されてプレミアム感が増すとともに吸音性も高まり、より静かなキャビンを実現しています
センターコンソール
チャージングパッドがモデルS、Xのようにアルカンターラ調の台座に変更され、カバーが無くなりました。カップホルダーがスライドで開くようになりました。また、アームレスト部分の収納はマグネットで開閉するようになりました。USBはアームレストの下の収納スペースのなかにUSB-Cポートが1つで65 Wのパワーアウトプットで高出力になっています。
天井部分
ハザードスイッチはタッチ式になり、画面が壊れた際の緊急のシフトセレクターが付きました。また、ミラーハウジングはHW4のカメラを入れているせいか少し大きくなりました。
🔳オーディオ
オーディは驚くほど進化しています。プレミアムオーディオでは14個のスピーカーから17個のスピーカーに変更(RWDモデルは9つのスピーカー搭載)となり、アンプが2機になりました。スピーカーは、前席シートのすぐ上にも搭載され、今まで以上に臨場感のあるサウンドを実現しています。実際に音楽を聞いた感じは、力強いベースと非常にクリアでパンチが効いた中域から高域のサウンドが出ていました。
🔳後部座席
後部座席のリアスクリーンは、8インチのディスプレイで、現行のモデルSとモデルXと同じものが搭載されています。エアコンの風向きの調整、ヒートシートのオンオフ 、助手席のシート位置の前後調整やNetflixやYouTubeなどの動画再生が可能となっています。
シート
シートの幅が後部座席も改善されました。パッシブベンチレーションシートになり、ファンはないものの夏も快適に過ごせるように。背もたれに少し角度が付き、より座り心地が良くなりました。
アームレスト
アームレストは少し長くなりました。カップホルダーが縦向きから横向になりました。
ストレージポケット
以前とは違い横が開いているタイプに変更されました。
ドームライト
ドームライトはタッチ式となり、白色LEDを採用しました。
🔳逆に変わらなかった部分はどこ?
バッテリー及びモーターの性能
急速充電のチャージスピードはRWDは170kW、ロングレンジは250kWと以前のモデル3と変わりません。
フロントトランク容量は変わらず88Lです。
🔳改悪されたところはどこ?
最高速度は落ちてしまいました。
RWDモデルで225km(旧モデル)から201kmへ。
ロングレンジで233km(旧モデル)から201kmへ。
アームレスト下のストレージのUSB-Cポートが1つのみになりました。後部座席のストレージポケットは横が空いているタイプになったので、ものが滑り落ちる可能性があります。
以上、新型モデル3が旧モデルからどのようにアップデートされたのかを解説しました。
今回のアップデートは、全体的にテスラに乗ることの快適性が確実にアップする変更だったと言えます。EV特有の静寂性を追求し、インテリア空間やサウンドが進化した新型モデル3は、日本でもヒットするでしょうか?
2019年、最初に日本に上陸したモデル3のオーナーは、補助金支給のしばり(納車から4年)が切れるタイミングを迎えています。新型モデル3は、新規にテスラを購入するユーザーに加え、旧モデル3からの乗り換え需要にも十分に応えられるクオリティに仕上がっていると言えましょう。
YouTubeでは動画で新型モデル3の変更点を説明しています。
EVcafeの米国テスラ現地ショールームレポート