米国コロラド州の公衆衛生環境局は、従来のガソリン車やディーゼル車からクリーンエネルギー車への移行を促進するため、新たな2つの助成プログラムを発表しました。
一つは「電動スクールバス助成プログラム」、もう一つは法人に向けた「フリート(商用)車両および技術に関する助成プログラム」で、同州の公衆衛生環境局、大気汚染管理部ディレクターのマイケル・オグルツリー氏は、「これらの革新的な助成プログラムは、有害な大気汚染を軽減しながら、長期的にコストを削減できるクリーンエネルギー車への移行を支援するもの。子どもたちを含む、コロラド州のすべての人々の健康的な未来に投資します」と語りました。
気になる具体的な助成額ですが、電動スクールバスプロジェクトでは、第一次として13の学区を対象に2400万ドル(約35憶2800万円)以上を確保しています。一方のフリート車両・技術プロジェクトでは、選定対象となっている17の案件との契約がすべてまとまれば、最大で1400万ドル(約20億5800万円)を提供する予定だといいます。
この施策の背景にあるのは、官民一体となり、クリーンエネルギーへの投資促進を狙うバイデン政権の「アメリカへの投資」アジェンダです。したがって、用意されているこの助成金には、州の支援資金に加え、連邦政府からの支援資金も含まれています。
スクールバスのクリーン化に関しては、今年の4月に米国環境保護庁(EPA)が、すでに発表されていた支援プログラムに続き、新たに4億ドルの助成金プログラムを発表していました。総計すると、全国のスクールバスをクリーンエネルギー車に一新するために、約50億ドル(約7350億円)という前例のない規模で資金が投入されることになります。
EPAのマイケル・S・リーガン長官が「新たな助成金を活用することで、スクールバスの電動バスや低排出バスへの移行はこれまで以上にスピーディに進むだろう」と言っていた通り、この数か月の間に、コロラド州をはじめいくつかの州がEPAに申請を行っています。
温室効果ガスを大量に排出している大型のガソリン車やディーゼル車がクリーンエネルギー車に変われば、相当なインパクトとなるはずです。コロラド州では、今回の助成プログラムは、2021年に公表した「温室効果ガス削減のロードマップ」の目標達成に大いに役立つとしていますが、そうした数値目標以上に期待がふくらむのは、リーガン長官の言う「すべての子どもたちが、澄み切ったきれいな空気を手に入れるより健康的な未来」なのです。
メインカットは、ハイランド・エレクトリック・フリーツ社が、コロラド州のピーク・トゥ・ピーク・チャーター公立学校に納入した電動スクールバス第1号 (写真 Highland Electric Fleets)
出典:米国コロラド州公衆衛生環境局