テスラが、走行中にボンネットが開く不具合を防ぐため、米国内の185万台を対象とした大規模なソフトウェアアップデートを実施しました。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)のウェブサイトに2024年7月30日付で掲載されたリコール報告書によると、テスラは6月18日から無線(OTA)によるソフトウェアアップデートの配信を開始しました。
このアップデートは、NHTSAからの、ラッチ(掛け金)がかかっていないボンネットが走行時に完全に開いてドライバーの視界を妨げ、衝突事故の危険性を高める恐れがあるとの指摘を受けたもので、ボンネットのラッチが外れているのをソフトウエアが検知できない恐れを防ぐため、アップデートにより、ボンネットが開いているかどうかを検出し運転手に通知する機能を強化するものです。
対象となる車両は、2020年1月から2024年7月にかけて生産された「モデルS」「モデルX」「モデル3」「モデルY」の4モデル。
米国の通信社ブルームバーグによると、この問題の発端は、2024年3月下旬に中国市場で発生した「意図せずボンネットが開く事象」に関する複数のオーナーからの苦情でした。テスラはこれを受けて調査を開始し、4月中旬までにボンネットが開いたことを運転手に適切に通知できない不具合を特定しました。
テスラの報告によれば、この問題の発生率は中国市場で特に高く、欧州や北米市場と比較して顕著な差が見られたということです。ただし、その理由については現時点で明らかにされていません。
安全性への影響について、テスラは7月20日時点で米国内においてこの問題に関連する3件の保証クレームまたは現場報告を確認していますが、関連する事故や負傷者、死亡者は報告されていないとしています。同社の推定では、リコール対象車の約1%にこの欠陥が存在するとのことです。
メイン写真: Justin Sullivan/Getty Image