メルセデス・ベンツがテスラより先に中国で自動運転テストの許可を獲得
メルセデス・ベンツ・グループは、中国の北京市から最高レベル「レベル4」の自動運転テスト許可を取得しました。サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じたところによると、これは中国国外の自動車メーカーとしては初めての快挙となります。
レベル4の自動運転は、人間による操作がほとんど不要な高度な自動運転技術。通常の走行シーンでは車両が自律的に運転を行い、人間のドライバーによる介入はほとんど必要ありません。
メルセデス・ベンツの公式WeChatアカウントによると、今回許可されたテストには、駐車、Uターン、ラウンドアバウトの出入り、料金所の通過、前方の車両が減速した際の車線変更などの操作が含まれます。同社は「豊富なセンサー」とシステムの冗長性を備えた自動運転車を使用し、「極端な状況下でも」最小限のリスクで安全に停止できる機能を実装するとしています。
北京市は自動運転技術の発展を支援するため、今年6月末に新たな規制を策定しました。SCMPによると、北京市は1160キロメートル以上の公道でのテストを開放しており、今年2月時点で18社384台の車両がテスト許可を得ています。
一方、テスラはまだ中国での完全自動運転(FSD)技術の許可を待っている状況です。イーロン・マスクCEOは4月の中国訪問時に、完全自動運転のロボタクシー事業の許可を求めましたが、現時点では許可は下りていません。
今回のメルセデス・ベンツの許可取得は、中国の自動運転市場における競争が一段と激化することを示唆しています。バイドゥやホンチー(紅旗)、WeRideなどの中国企業に加え、外国企業の参入により、技術開発と商用化がさらに加速する可能性があります。
メイン写真:メルセデス・ベンツが2023年9月27日に発表した、米国市場向けSAEレベル3認定システム「DRIVE PILOT」の搭載車