スズキは、2023年11月5日、同社初となる電気自動車(BEV)「e VITARA(ビターラ)」をミラノで発表しました。本モデルは、2023年のインドAuto Expoとジャパンモビリティショーで展示された「eVX」の量産モデルとして位置づけられ、2025年春からインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産が開始される予定です。
新型eビターラは、日常利用から週末の旅行まで幅広いニーズに対応するSUVとして開発されました。「High-Tech & Adventure」をデザインテーマに掲げ、BEVならではの先進性とSUVの力強さを融合させた外観を特徴としています。大径タイヤとロングホイールベースを採用した存在感のあるエクステリアに加え、インテリアにはインテグレーテッドディスプレイを配置し、先進的かつタフな印象を演出しています。
パワートレインには、高効率のeAxleとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせたBEVシステムを採用し、駆動方式は2WDと4WDを用意。特に注目されるのが、1970年のジムニーから受け継がれてきたスズキの四輪駆動技術を活かした電動4WDシステム「ALLGRIP-e」です。前後に独立した2つのeAxleを配置することで、パワフルな走りと緻密なトルクコントロールを実現。さらに、悪路走破性を高めるTrailモードも搭載されています。
車両のベースとなるプラットフォームには、BEV専用に新開発された「HEARTECT-e」を採用。軽量構造と高電圧保護を両立させながら、ショートオーバーハングによる広い室内空間を確保しています。また、フロア下メンバーを廃止することで、バッテリー容量の最大化を図り容量49kWhと61kWhのバッテリーを搭載。最高出力は2WDモデルで106kWまたは128kW、4WDモデルでは135kWを発揮します。車体サイズは全長4275mm、全幅1800mm、全高1635mmで、ホイールベースは2700mmとなっています。
また、スズキは2024年10月30日、電動車事業におけるトヨタとの新たな協業を発表。eビターラと同じくeVXがベースモデルとなる、2025年春以降にスズキ・モーター・グジャラート社で生産される新型EVのSUVがトヨタにOEM供給される予定です。
主要諸元表(欧州向け)
バッテリー容量 | kWh | 49 | 61 | ||
駆動方式 | 2WD | 2WD | 4WD | ||
寸法 | |||||
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全長 | mm | 4275 | |||
全幅 | mm | 1800 | |||
全高 | mm | 1635 | |||
ホイールベース | mm | 2700 | |||
トレッド | 前 | mm | 1540 | ||
後 | mm | 1545 | |||
最小回転半径 | m | 5.2 | |||
最低地上高 | mm | 180 | |||
乗車定員 | 名 | 5 | |||
モーター | |||||
最高出力 | 合計 | kW | 106 | 128 | 135 |
フロント | kW | 106 | 128 | 128 | |
リヤ | kW | – | – | 48 | |
最大トルク | Nm | 189 | 189 | 300 | |
トランスミッション | |||||
種類 | 1速電動ドライブ | ||||
シャシー | |||||
ブレーキ | 前 | ベンチレーテッドディスク | |||
後 | ベンチレーテッドディスク | ||||
タイヤ | |||||
タイヤ | 225/55 R18 | 225/55 R18, 225/50 R19 | |||
重量 | |||||
車両重量 | kg | 1702 | 1760-1799 | 1860-1899 |