中国高級車市場に向けてのプレミアムEV「ET9」をNIOが披露
中国の電気自動車メーカーNIOは12月21日、広東省広州市で開催された「NIO Day 2024」において、プレミアムEVセダン「ET9」を正式発表しました。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどドイツの高級車メーカーが中心となる市場への参入を目指します。
最新技術を結集した高級EVセダン
ET9は、全長5325mm、全幅2017mm、全高1621mm、ホイールベース3250mmという堂々たるボディサイズを誇る4人乗りセダン。NIOの10年に渡る技術開発の集大成として位置づけられており、同社の技術力を示すフラッグシップモデルとなっています。
注目すべき特徴として、NIO独自開発の5nmプロセス自動運転チップ「Shenji NX9031」を搭載する初のモデルとなります。このチップは、一つで一般的な自動運転チップ4個分に相当する処理能力を持つとされていて、ET9には2つのShenji NX9031チップが搭載されています。
ET9のシンプルなインテリア
また、ET9は世界初となる統合型油圧フルアクティブサスペンション「SkyRide」を採用。このシステムにより、硬さ、減衰力、車高を瞬時に調整することが可能となり、乗り心地と安全性の向上を実現しています。実際、NIOのウィリアム・リーCEOは発表会で、時速160kmでのタイヤバースト時でも車両のコントロールを失わない様子を実演しました。
高性能な電動パワートレイン
ET9は925Vの超高電圧プラットフォームを採用し、100kWhの交換式のバッテリーパックを搭載。中国のCLTC基準で最大650kmの航続距離を実現しています。
パワートレインは、フロントに180kW、リアに340kWのデュアルモーターを搭載し、システム合計で最大出力520kW、最大トルク700Nmを発揮。0-100km/h加速は4.3秒を記録します。また、NIoブランド初となる105Lのフロントトランクも装備され、実用性も考慮されています。
0-100km/h加速4.3秒を記録したET9
中国のEV専門WebメディアのCNEVPOSTによると、ET9の価格はバッテリー込みで78万8000人民元(約1700万円)からとなっています。これは1年前の予約開始時に発表された80万人民元をわずかに下回る価格設定です。また、バッテリー交換ステーションにおけるバッテリーパック交換式のNIOのEVには、本体価格のみで購入できてバッテリー価格がレンタル料となるバッテリー・アズ・ア・サービス(BaaS)モデルの設定もあります。ET9の同モデルは本体価格66万人民元(約1427万円)で、バッテリーの月額レンタル料が1128人民元(2万4385円)となっています。
ET9の価格はバッテリー込みで約1700万円から
限定モデルも用意されており、こちらはバッテリー込みで81万8000人民元(約1770万円)から、BaaSモデルでは69万人民元(約1492万円)からとなっています。限定モデルは999台限定で、2025年3月の納車開始時には優先的に出荷される予定です。