ポルシェは2025年1月14日、フィンランド・レヴィのポルシェ・アークティックセンターにて、電気自動車による氷上での最長連続ドリフト記録に挑戦し、新たなギネス世界記録™を達成しました。
ポルシェ・エクスペリエンスのインストラクターであるイェンス・リヒター氏が操るタイカンGTSは、直径59メートルのドリフトサークルを132周、総距離17.503キロメートルにわたって連続ドリフトを続けることに成功。従来の記録14.809キロメートルを大きく上回る記録を打ち立てました。
挑戦は厳しい条件下で行われ、最初の試みは氷上コースの劣化により11キロメートル付近で中止を余儀なくされました。しかし、チームは短いスパイクタイヤに切り替え、日没後の気温低下を利用した2回目の挑戦で記録達成に成功。スロットルとステアリング操作のみで46分間にわたり、標準仕様のタイカンGTSを制御し続けました。
車両には市販のミシュランタイヤに1ミリのスパイクを装着。また、GPSによる精密な距離測定システムを搭載し、走行距離だけでなく、ステアリング操作やアクセル、ブレーキ、車体にかかるGフォースなども記録されました。
リヒター氏は「今回の記録は、タイカンGTSの優れたシャシーとバランスの取れたパフォーマンスを証明するものです。四輪駆動でこれほどまでに正確なコントロールができることは、車両の素晴らしさを物語っています」とコメントしています。
この記録により、タイカンは4つ目のギネス世界記録™を獲得。これまでに新疆〜チベットルートでの電気自動車による最大標高差(5573メートル)、屋内での最高速度(165.1km/h)、そして2020年にはホッケンハイムリンクでの42.171キロメートルのドリフト記録を達成しています。
北極圏から約150キロメートル北に位置するポルシェ・アークティックセンターでは、年間1500人以上の参加者が雪上・氷上でのドライビングスキルを磨いており、2025年シーズンからはF1コース設計で知られるヘルマン・ティルケ氏による全面改修されたコースで、さらなる挑戦が期待されています。
氷上での最長連続ドリフト記録達成の動画