テスラが、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)から自社の「ロボタクシー」サービス運営に向けた一連の承認プロセスの、第一段階の許可を取得したことが明らかになりました。
テスラが取得したのは「transportation charter-party carrier permit(TCP許可証)」と呼ばれるもので、通常は運転手による送迎サービスに関連する免許です。この許可により、テスラは自社保有の車両を自社従業員が運転するサービスを開始できるようになります。テスラの申請書によると、当初はテスラの従業員を事前予約ベースで輸送することを計画しており、その後、一般向けの輸送サービスへと移行する予定です。一般向けサービスへの移行時には、テスラはCPUCに通知することになっています。
しかし、今回の許可ではいわゆる「配車サービス」(TNC)や自動運転車両(AV)による乗客輸送は認められていません。テスラはカリフォルニア州自動車局(DMV)からも、無人運転車によるテストや実用化のための許可を取得していない状況です。
テスラは2024年10月、カリフォルニア州バーバンクのワーナー・ブラザーズ・スタジオで開催されたイベント「We, Robot」で、「サイバーキャブ」と呼ばれる2人乗りの自動運転車を発表しました。このイベントでは、20台のプロトタイプが会場内を自律走行し、参加者に短距離の試乗を提供していました。

イーロン・マスクは2024年10月23日の投資家向け電話会議で、2026年末までにサイバーキャブの量産を開始する目標を明らかにし、複数の工場がフル稼働した場合、年間生産目標は200万台になるとしています。一方、発表に対する投資家の反応は控えめで、特に発表から実際の生産開始までの長い期間が理由とされています。

専門誌New Scientistは「テスラのサイバーキャブは2年後でなければ利用できないのに対し、Waymoの自動運転車は今日すでに路上で運用されている」と指摘しています。
先行している競合との差はありますが、いずれにせよ、今回のテスラのカリフォルニア州からの許可取得は、ロボタクシー構想実現へ向けた具体的な一歩です。
(写真提供元:Tesla, Inc. )