テスラが今年(2025年)、より手頃な価格の新型EVを発表する見通しであることがわかりました。複数の関係者の情報によると、このモデルはモデルYの小型版で、生産コストは現行モデルより大幅に抑えられるようです。
自動車専門メディア「InsideEVs」が報じたところによると、「E41」というコードネームで開発が進められている新型EVは、当初、上海工場で生産され、既存の組立ラインと技術を活用してコスト削減を図る計画です。
この新型車は、単に既存モデルの機能を削減した廉価版ではなく、モデルYよりもサイズを小さくした新しいモデルになる見込みです。情報筋によれば、製造コストはリフレッシュ版モデルYと比較して少なくとも20%低減されるとのことです。
これは、メキシコでテスラが昨年から販売している低価格版モデル3とは異なるアプローチです。メキシコでの低価格モデル3は、布製シートの採用や後部座席用スクリーンの削除、ヒーター機能の省略などにより、米国向けモデルより約4000ドル安く提供されています。
新型EVの本格的な量産は来年から中国で開始される予定で、その後、欧州と北米でも製造が行われる見通しですが、時期については明らかにされていません。テスラによる新型EVの開発は、中国の「36kr」によって最初に報じられ、同メディアはこの新モデルを「より小さなモデルY」と表現しています。

テスラは今年初め、2024年第4四半期の決算発表で「より手頃な価格の新型車を含む新車種の計画は、2025年前半の生産開始に向けて予定通り進んでいる」と述べています。同社はさらに、新型EVは次世代プラットフォームの一部と現行プラットフォームを使用し、現在のEVと同じ製造ラインで生産されると付け加えました。
この新型車の詳細なデザインやパワートレインの選択肢などはまだ明らかになっていませんが、現行のモデル3とモデルYで使用されている電気モーターとバッテリーパックが採用される可能性が高いと、InsideEVsは分析しています。
この新型車の開発は、テスラが初めて販売台数の減少を経験した昨年の状況を受けたものとみられます。欧州連合ではテスラの登録台数が昨年13.1%減少し、中国の電気自動車市場でのシェアは2023年の11.7%から昨年は10.4%に低下しました。米国では、EV市場シェアが10ポイント減少し、2024年末には45.4%となっています。
テスラがこの新型低価格EVで失地回復を図れるかどうか、今後の展開が注目されます。
(写真提供元:Tesla, Inc. )