米国の新興EVメーカー「Slate」は、カスタマイズ性に優れた革新的なEVピックアップトラック「Slate Truck」を発表しました。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が支援するこのスタートアップは、インディアナ州ワルシャワの旧印刷工場で生産を行うことを正式に発表しています。

「手頃な価格の定義は壊れています」とSlate CEOのクリス・バーマン氏は述べています。同氏は、「Slateは自動車業界から無視されてきた顧客に力を取り戻すために存在します。Slateは2人乗りピックアップから5人乗りSUVに変身できる、ラディカルなトラックプラットフォームです」と語っています。
Slate Truckは2人乗り電気ピックアップで、スチールホイールの外装、手動式窓、物理的なHVACノブを特徴とし、大型のフロントトランクと約635キログラムの積載能力を持つ広い荷台を備えています。
バッテリーは標準で52.7kWh、航続距離は約240kmを実現。オプションの84.3kWhバッテリーでは約386kmまで伸びます。NACSポートを使用し、急速充電では30分以内に80%まで充電可能です。

カスタマイズ性の高さが最大の特徴で、100種類以上のアクセサリーが選択可能。特筆すべきは「SUVキット」で、これを使用することでトラックを5人乗りSUVに変身させることができます。また、車両ラッピングは三段階のオプションにより、外観のカスタマイズも選択肢が豊富です。

生産拠点となるインディアナ州ワルシャワの工場は、約13万平方メートル(140万平方フィート)の敷地を持ち、2023年まで印刷会社が所有していました。Slateによると、この工場は2000人以上の雇用を地域にもたらす予定で、これは前テナントが閉鎖した際に失われた500人の雇用を上回ります。テスラやリヴィアンなど他のEV企業も既存の生産施設を再利用していますが、Slateは、自動車工場ではなく印刷工場を転用する点で注目されています。

Slate Truckの米国販売価格は約2万5000ドル(約360万円)からで、連邦インセンティブ適用後は2万ドル(約290万円)以下となる見込み。これにより米国で最も手頃な新型EVおよびピックアップトラックとなります。同モデルの納車は2026年末頃を予定しています。