中国の高級電気自動車(EV)メーカーZeekr(ジーカー)は、2年以内に日本市場への本格参入を計画しています。
同社は、ボルボやポールスター、ロータスカーズなどを傘下に持つ中国の大手自動車メーカー、ジーリー・ホールディング・グループ(吉利控股集団)が2021年に設立した高級EVブランド。製造にはテスラやシャオミなどが採用するギガキャストを導入するなど、先鋭的なイメージで知られています。わずか4年の歴史にもかかわらず、急速にモデルラインナップを拡大。2024年には世界で22万台を販売し、これまでに40カ国以上の海外市場に進出しています。
現在、Zeekr 001(シューティングブレーク)、Zeekr 007(ラグジュアリーセダン)、Zeekr X(コンパクトSUV)、Zeekr 009(MPV)をはじめ、001FR、7X、最近発表された7GTなど、多彩なモデルを展開しています。
2025年4月に開催されたZeekr 7GTのデビューイベント
2024年8月に公表されたZeekrの日本進出計画では、2024年第4四半期から国内でのショールーム建設を開始、初期段階は東京首都圏、関西圏、東海地方の3つの主要エリアに展開する形で、2025年に本格参入する予定でしたが、2025年5月6日に放送されたテレビ東京の経済番組「ワールドビジネスサテライト」によると、海外市場の責任者は「2年以内に日本進出」と軌道修正。また、タイ、香港、シンガポールなどの地域ですでに販売されている右ハンドルの「Zeekr X」が、日本のナンバープレートを取得している姿を同番組で公開しました。

では、日本でも発売される可能性がある「Zeekr X」とはどんなEVなのでしょうか?

同モデルは、全長4450mm、全幅1836mm、全高1572mm、ホイールベース2750mmというコンパクトSUVながら、AWDモデルでは0-100km/h加速3.7秒、最大出力315kW、最大トルク543N·mという高性能を誇ります。バッテリー容量は66kWhで、CLTC基準での航続距離は512kmとされています。

外観の特徴としては、56個のLEDを搭載したヘッドライトや、229個のLEDを組み込んだテールライトが印象的。インテリアには1.21平方メートルのパノラマルーフや、13個のスピーカーを備えたヤマハサラウンドサウンドシステムなどが採用されています。

また、Qualcomm Snapdragon 8155チップを搭載したインテリジェントコックピットやAR-HUDヘッドアップディスプレイなど、先進的な技術も特徴で、安全面では、8本のチューブからなる多層構造の衝突防止ビームや、6つのエアバッグによる包括的な保護システムが備わっています。


Zeekrは、2025年の上海モーターショーでは、初のPHEVとなる9X MPVを発表。最新の2025年型007には、わずか10分半で10%から80%まで充電可能という、同社が「量産型では世界最速」と主張する次世代バッテリーが搭載されていることも話題を呼びました。。
また興味深いのは、ZeekrがWaymoと提携して米国市場向けの自動運転EVも開発していることです。BYD をはじめとする中国メーカーが海外での販売に注力する中、Zeekrがどのようなモデルで日本市場に挑むのか、その動向が注目されます。
Zeekr Xのイメージ動画