日産自動車の中国合弁会社である東風日産は、同社初の純電気自動車「N7」が4月27日の発売からわずか18日間で1万台の受注を達成したことを発表しました。この記録は中国市場における合弁ブランドの電気自動車としては最速のペースとなります。
東風日産は5月15日、上海新エネルギーブランド体験センターにて初回納車セレモニーを開催し、中国全土での納車を本格的に開始しました。N7は発売以来、特に若年層から大きな関心を集めています。中国のEVメディア Car News China .comによると、購入者の約70%が初めて車を購入する若年層や他ブランドからの乗り換え組であり、30%が日産の既存顧客のアップグレード需要となっています。

N7には価格11万9900元(約240万円)のN7 510 Airから14万9900元(約300万円)のN7 625 Maxまでの5つのグレードに2種類のLFPバッテリーオプション(58kWhと73kWh)が用意されており、CLTCモードで最大540km〜625kmの走行が可能となっています。
同車はテスラ・モデル3よりもわずかに大きい、全長4930mm、幅1895mm、高さ1487mm。内装はミニマリスティックながら、15.6インチの2.5K中央インフォテインメントシステムを搭載し、車内をホームシアターのような空間に仕上げています。

また、Momentaのスマートドライビングシステムを搭載し、高速道路ナビゲーションアシスト、都市記憶ナビゲーションアシスタント、全シナリオインテリジェントパーキングなどの先進安全機能と運転支援機能を提供しています。
開発段階では7400以上の研究開発評価テスト、5500の品質確認、2000の生産車両品質管理検査が実施されました。特にバッテリーの安全性については、現行の24の標準テストすべてに合格しているだけでなく、2026年に導入予定の熱拡散、底部衝撃、急速充電後のサイクル安全テストといった3つの新基準もすでにクリアしています。

東風日産は、注文・納車・サービスチャネルモデルを完全に導入した初の合弁ブランドとして、全国240以上の都市に100以上の納車センターと500以上の小売センターを設立しています。納車後は専用のサービスグループを創設し、スーパーAPPをアップグレードしてオンラインメンテナンス予約やリアルタイム修理進捗追跡を提供しています。
同じ価格帯では、中国EVメーカー大手のBYDが3月に発売した「秦L」が初週で1万台を超える販売を記録しており、競争は激化しています。

東風日産の周・鋒副社長は「発売以来、注文は予想を上回っています。当社は生産プロセスと効率を継続的に改善し、能力を迅速に高めるためにリソースを調整し、可能な限り短時間でN7をユーザーに届けるよう努力しています」と述べています。N7が世界最大のEV市場である中国でBYDやその他の競合と競争できるかどうか、今後の動向に注目が集まります。
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