テスラが既存顧客とニュースレター購読者に送信したマーケティングメールで、7人乗りモデルYの存在を示唆する内容が明らかになりました。現在販売されているモデルYは5人乗り仕様のみですが、同社が新たな座席構成を検討していることが判明しました。
テスラが送信したメールの件名は「モデルY:ミッドサイズSUV」で、本文には「何にでも対応できる長距離走行能力があり、最大7人まで着席でき、全員の荷物を積むのに十分なスペースがあります」と記載されていました。現在、テスラの公式ウェブサイトのモデルY設定画面では7人乗りオプションは表示されていませんが、このメールの内容から7人乗り仕様の発売が近づいていることが示唆されています。
複数のテスラオーナーや愛好家がこのメールのスクリーンショットをSNSで共有し、話題となっていると、Tesla Oracleが報じています。

モデルYの7人乗り仕様は長年にわたって開発が続けられてきました。2020年にイーロン・マスクCEOが「2021年に7人乗りモデルYを提供する」と発表しましたが、実現には至りませんでした。2021年初頭には一時的に7人乗り仕様の受注を開始し、3列目シートの写真も公開されましたが、限定的な台数の生産後に販売を中止していました。
テスラが再び7人乗りモデルYの投入を検討している背景には、同社の販売不振があります。2025年第1四半期はテスラにとって車両販売台数で最悪の結果となり、前年同期比で15%減少しました。北米市場でも電気自動車の販売回復に苦戦しており、この状況はイーロン・マスク氏の政治的関与も一因とされています。最近では、マスク氏とトランプ前大統領との関係にも変化が生じているとも報じられています。
2021年当時とは状況が大きく異なり、当時のテスラは四半期ごと、年ごとに販売台数を伸ばしていたため、新しい仕様のモデルYを生産ラインに組み込む余裕がありませんでした。しかし、2025年第2四半期の現在、テスラは四半期ごとに売上を減らしており、7人乗りモデルYが売上回復の起爆剤として機能する可能性があります。

過去には実際に7人乗りモデルYが米国の顧客に納車された実績もあります。ある顧客は「4人の子どもがいるため、3列目なしではモデルYを購入できません。子どもたちがまだ小さいので、後部座席がどれほど大きいかは気にしません」とコメントしています。
テスラからの正式発表はまだありませんが、同社の販売戦略を考慮すると、今回の7人乗りモデルY投入の可能性は従来よりも高いと考えられます。
