中国の自動車メーカーSAIC(上海汽車集団)のMGブランドは2025年8月5日、新型電気自動車「MG4」の予約販売を開始。予約価格は7.38万元(約151万円)から10.58万元(約217万円)で、9月5日に正式発売される予定です。同社は先行販売開始1日で、同車が1万1067件の予約注文を獲得したと発表しました。
このMG4は、MGブランドが電動車に特化する戦略の第一弾となる重要なモデルです。同車は中国のスマートフォンメーカーOPPOとの協業による車載連携システムを初搭載し、一体型熱管理システム、CTB(Cell to Body)電池車体構造、3層立体トランクなど、同クラスでは唯一の技術や装備を多数採用しています。

車両の基本スペックでは、全長4395mm、ホイールベース2750mmを実現し、同クラス最長の車体長と最大のホイールベースを持ちます。CTB電池車体構造の採用により、車室空間効率は93.8%を達成し、Bセグメント車に匹敵する居住性を確保しています。
航続距離は最大530kmで、30%から80%まで20分で急速充電が可能。電費は100km当たり10.4kWhと同クラス最低水準を実現する一方、0-50km/h加速は3秒と、経済性と動力性能を両立しています。
安全性能では、CTB電池車体一体化技術により車体ねじり剛性31000N・m/degを実現。エルクテストでは74.2km/hの成績を記録し、同クラスのハッチバック車の高速走行時の安定性に対する懸念を解消しています。電池安全性においても、50km/h側面衝突時の電池パック変形量は3.6mmに抑制され、1m深の浸水や50cm深での4時間走行でも電池室への浸水を防ぐ設計となっています。

また、特に注目されているのは、年内投入予定の世界初の量産半固体電池搭載モデル。この半固体電池版は、低温での放電性能と電池容量保持率が大幅に向上し、従来の電気自動車では困難とされた中国東北部などの冷寒地での使用にも対応可能とされています。
MG4は中国の120カ所にポップアップストアを順次開設し、消費者が実車を体験できる環境を整備する予定です。半固体電池搭載版の価格は9月に発表され、年内に量産開始される計画となっています。