BYD Auto Japanは7月22日、こどもの車中置き去り防止を目的とした「#たすけてブーブー」プロジェクトに参加すると発表しました。同プロジェクトは2025年6月から開始されており、自動車メーカーの垣根を超えた業界横断的な安全啓発活動として展開されています。
同社は参加に伴い、全国のBYD正規ディーラーで啓発用の絵本「ぶたすけのラッパ(ポプラ社刊)」とステッカーの配布を行います。絵本は車内から出られなくなった際にクラクションを使って助けを求める方法を子ども向けに説明した内容です。絵本は「パンどろぼう」シリーズの絵本作家・柴田ケイコ氏が制作を担当し、2025年6月4日に発売されました。


BYDが日本で販売する全4車種(シーライオン7、シール、ATTO 3、ドルフィン)には「幼児置き去り検知システム(CPD)」が標準装備されています。例えば、ドルフィンの「CPD」の場合、同システムは車両の電源OFF後、ドアの施錠と連動して90秒後に作動開始する仕組み。
車内各所に設置されたミリ波レーダーが動体を検知すると、まず所有者のスマートフォンアプリに通知を送信し、同時にハザードランプの点滅とクラクション音による警報を約6秒間発報します。その後も動体が検知され続ける場合、約3分後に自動でエアコンが作動し、車内温度を26度に維持しながら約30分間警報を継続する設計となっています。同システムはパワーバッテリーの残量が15%以下の場合は作動しません。

JAF(日本自動車連盟)が実施した「子どもの車内事故に関するアンケート調査」によると、「こどもを車内に残したことがある」と回答した人の割合は54.9%に上りました。2025年に入ってからも車中置き去りによる事故が複数件発生しており、社会的な課題となっています。
なお、現在は乗用車を除く幼稚園、保育所、認定こども園、特別支援学校などの送迎バスには、2023年4月1日から置き去り防止装置の設置が義務化されています。
同社は今回のプロジェクト参加について、「自動車産業に関わる企業市民として、安全啓発活動への取り組みは重要な企業テーマ」としています。