BMWは2025年9月5日、新世代シリーズ「ノイエ・クラッセ」の第1弾モデルとなる新型iX3を発表しました。2026年春に欧州で、同年夏に米国での販売を開始する予定です。
新型iX3は全長4782mm、全幅1895mm、全高1635mmのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)で、第6世代BMW eDrive技術を採用した完全電気自動車です。最高出力345kW(469馬力)、最大トルク645Nmを発生し、0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は210km/hを実現しています。

バッテリーは108.7kWhの容量を持つ高電圧バッテリーを搭載し、WLTPサイクルで最大805kmの航続距離を達成しました。充電性能も大幅に向上し、最大400kWでの急速充電により、10分間の充電で最大372kmの航続距離を追加できます。バッテリーは10%から80%まで21分で充電可能です。
新型iX3には双方向充電機能も搭載され、Vehicle-to-Load(V2L)、Vehicle-to-Home(V2H)、Vehicle-to-Grid(V2G)の各機能により、移動式電源として活用できます。家庭の太陽光発電システムとの連携や、電力網への売電も可能です。

内装では新開発の「BMW パノラミック iDrive」を採用し、フロントガラス全幅に情報を投影するBMW パノラミック ビジョン、中央に配置されたセントラルディスプレイ、3D ヘッドアップディスプレイで構成されています。多機能ステアリングホイールを主要な物理操作部として、音声認識やタッチ操作と組み合わせた直感的な操作を実現しました。
安全・運転支援機能では、新世代の自動運転技術「BMW シンビオティックドライブ」を搭載し、ドライバーの操作とAI支援ソフトウェアが自然に融合する新しい運転体験を提供します。高速道路アシスタントでは長時間のハンズオフ運転を可能にし、シティアシスタントでは信号機検知機能により自動停止・発進を行います。

持続可能性への取り組みも強化され、車両全体の約3分の1にリサイクル素材を使用しています。製品ライフサイクル全体でのカーボンフットプリントは前世代モデルと比較して34%削減され、欧州のエネルギーミックスで充電した場合、約2万1500km走行後に同等のガソリン車よりもCO2排出量が少なくなります。

生産は新設されたハンガリー・デブレツェン工場で行われ、2025年秋から生産を開始します。中国市場向けには2026年夏から瀋陽工場で生産される専用仕様車の納車が始まる予定です。
