ホンダは2025年9月12日、新型軽電気自動車「N-ONE e:(エヌワン イー)」の販売を開始しました。同社の軽乗用車初のEVモデルで、日常的な移動での利用を想定した仕様とされています。
N-ONE e:の車両サイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1545mmで、従来のガソリン車N-ONEと同等の車高を維持しています。最小回転半径は4.5mで、車両重量は1030kgです。駆動用モーターは最大出力47kW(64PS)、最大トルク162N・mの仕様で、35.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

航続距離はWLTCモードで295kmとなっており、充電時間は普通充電(6kW以上)で約4.5時間、急速充電(50kW以上)で80%まで約30分。交流電力量消費率は市街地モード76Wh/km、郊外モード96Wh/km、高速道路モード124Wh/kmとなっています。

室内空間では、フロア下のバッテリーを薄型化することで大人4人が乗車可能な空間を確保し、従来のN-ONEの使い勝手を継承しています。また、シートを倒す「ダイブダウン」や、シートを跳ね上げる「チップアップ」など、スペース効率を高める機能も装備されています。

走行機能では、軽乗用車として初めて「シングルペダルコントロール」を採用。アクセルペダルのみで加減速から停車まで行える機能(ワンペダル走行)で、市街地走行での操作性向上を図っています。
安全装備では「Honda SENSING」を全車に標準装備し、軽自動車初の「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」も搭載しています。

外部給電機能では、別売りのAC外部給電器使用時に最大1500Wまでの出力が可能で、V2H(Vehicle to Home)システムにも対応しているのも特徴です。
グレード構成は、Bluetooth対応オーディオを標準装備したスタンダードタイプの「e: G」(269万9400円)と、9インチHonda CONNECTディスプレイや急速充電機能を標準装備した「e: L」(319万8800円)の2タイプ。ボディカラーは新色のチアフルグリーンを含む5色を設定しています。
購入支援制度については、同車両は令和7年度のCEV補助金対象車両となっており、国の補助金として57万4000円が適用可能です。これにより、e: Gグレードは実質212万5400円、e: Lグレードは実質262万4800円での購入が可能となります。さらにエコカー減税1万5600円も適用されるため、総額では約59万円の優遇措置となります。
地方自治体による追加補助金も設定されており、例えば東京都の場合は通常補助金40万円に給電機能付車両補助金10万円を加えた50万円が上乗せされ、国の補助金と合わせると108万9600円の支援が受けられます。V2H設備設置や太陽光発電導入などの条件を満たした場合、さらに追加の補助金が適用される仕組みとなっています。
また、同社のオンラインストアの「Honda ON」ではN-ONE e:を対象としたEV専用サブスクリプションサービスも提供されており、月額4万円からの料金設定となっています。
