三菱自動車工業の欧州統括会社であるミツビシ・モーターズ・ヨーロッパ・ビー・ブイは2025年9月18日、欧州市場向けの新型電気自動車「エクリプス クロス」を年内より順次販売開始すると発表しました。同車はルノーグループのEV生産拠点であるルノーエレクトリシティ、ドゥエー工場で生産されます。
新型「エクリプス クロス」は、アライアンスパートナーであるルノーグループからOEM供給を受けるコンパクトSUVで、CMF-EVプラットフォームを採用した電気自動車専用モデルとなります。三菱自動車にとって欧州市場でのBEV展開は、2021年に生産終了した電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」以来となります。

同社代表執行役社長兼最高経営責任者の加藤隆雄氏は「世界初の量産型電気自動車『アイ・ミーブ』を開発した当社は、環境にやさしい車両の提供を使命とし、カーボンニュートラルの実現に取り組んできました。今回の『エクリプス クロス』の投入は、プラグインハイブリッドEV『アウトランダーPHEV』やハイブリッドEV『グランディス』に続く、欧州における電動化戦略の重要なステップです」とコメントしています。
同車は総電力量87kWhのバッテリーを搭載し、WLTPモードで約600kmの航続距離を実現しています。最高出力160kW、最大トルク300N・mの性能を持ちます。回生ブレーキはパドルシフトで4段階の調整が可能で、ワンペダル機能も備えています。

エクステリアは「スマート アーマー」をデザインコンセプトとし、三菱自動車のデザインアイデンティティ「ダイナミックシールド」を採用。インテリアは2列5名乗車のレイアウトで、12.3インチの縦型ディスプレイオーディオを装備しています。

インフォテイメントシステムはGoogle搭載で、音声認識による操作が可能です。Apple CarPlayおよびAndroid Autoにワイヤレス接続に対応し、ハーマンカードン製オーディオシステムを搭載。安全装備としては最大20の先進運転支援システム(ADAS)を搭載し、高速道路同一車線運転支援機能「MI-PILOT」や後退時交差車両検知警報システムなどを備えています。

三菱自動車は既に欧州市場でコンパクトSUV「ASX」、コンパクトハッチバック「コルト」、コンパクトSUV「グランディス」をルノーグループからのOEM供給で展開しており、今回の「エクリプス クロス」は4車種目となります。同社は2026年に中距離モデルの追加も予定しています。
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