サンフランシスコのダニエル・ルーリー市長は、グーグル系の自動運転車開発会社Waymo(ウェイモ)が、サンフランシスコ国際空港(SFO)での運行許可を取得したと発表しました。これにより、Waymoは2022年にサービスを開始したフェニックス・スカイハーバー国際空港に続き、全米で2番目、カリフォルニア州では初の空港での自動運転タクシーサービスを提供することになります。
Waymoはすでにサンフランシスコ市内で自動運転タクシー「Waymo One」を運行していますが、これまで空港への乗り入れはできませんでした。今回の許可により、観光客や出張客が空港に到着後すぐに自動運転車を利用できるようになります。
SFOでの運行は安全性を重視し、3つの段階を経て本格サービスに移行する予定です。
第1段階では、訓練されたスペシャリストが運転席に座った状態で自動運転車両のテストを実施します。第2段階では、Waymo従業員と指定された空港職員を乗客とした完全自動運転モードでのテストを行います。そして第3段階で、一般のWaymo顧客向けの有料自動運転サービスの商用運行を開始します。
ルーリー市長は「サンフランシスコ全域で、安全で信頼性が高く、現代的な交通手段を拡大しています。これは市の経済復活を支援し、観光業を活性化し、住民と訪問者を市が提供するあらゆるものにつなげるものです」と述べました。また「3月に訪問者がサンフランシスコに到着してすぐにWaymoに乗れるようにしたいと発表しましたが、今日、それに向けた重要な一歩を踏み出しています」と語りました。

今回の許可取得の背景には、空港での自動運転車利用に対する高い需要があります。Waymoが実施した2024年7月の調査では、ベイエリアの利用者の89%がSFO発着でのWaymo利用に興味を示しています。また、昨年12月だけで1万3000人以上がWaymoのアプリでSFOを検索し、約700人が空港にいる間にアプリをインストールしたといいます。
Waymoは今年3月にSFOの道路マッピング許可を取得しており、今回の運行許可はその次のステップとなります。また先月には、長年プライベート車両の通行が制限されていたサンフランシスコのメインストリートであるマーケット・ストリートでの運行も発表されており、市内での事業拡大を着実に進めています。
Waymoは現在、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどで自動運転タクシーサービスを提供していますが、空港での運行はフェニックス・スカイハーバー国際空港のみでした。フェニックスでは2022年11月にサービスを開始し、現在は24時間体制で空港ターミナルでの乗降サービスを提供しています。
一方、ロサンゼルスでは市内での運行は行っているものの、ロサンゼルス国際空港(LAX)へのサービスはまだ提供されていません。サンフランシスコでの成功により、他の主要空港での展開にも注目が集まります。
なお、Waymoは年内にサンノゼ国際空港でも商用サービスを開始する予定で、カリフォルニア州での空港サービス拡大を加速させています。