トヨタ自動車は2025年11月10日、タイ・バンコクで開催された新車発表イベントにて、新型「ハイラックス」を世界初披露しました。今回発表されたモデルには、新たにバッテリー電気自動車(BEV)仕様が追加され、既存のディーゼルモデルに加えて燃料電池車(FCEV)モデルの開発も進められています。アジア市場では2026年以降、順次発売される予定です。
新型ハイラックスのBEVモデルは、総電力量59.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、NEDCモードで300km以上の航続距離を実現。バッテリーパックはフレーム幅を活用しながら床下に配置され、前後に高出力タイプのeAxleを採用し、システム最高出力144kWを発揮するとのこと。

車両サイズは全長5320mm、全幅1855mm、全高1800mm、ホイールベース3085mmとなっており、これらの数値はタイ仕様のプロトタイプに基づきます。同社は各地域のエネルギー事情や顧客ニーズに対応するため、「マルチパスウェイ」と呼ばれる戦略のもと、多様なパワートレーンの選択肢を提供する方針を掲げています。
FCEVモデルについては、欧州とオセアニア市場への2028年以降の投入が計画されています。一方、日本市場向けにはディーゼルモデルが導入される予定で、2026年年央の発売が見込まれています。

ハイラックスは1968年から続くモデルで、2004年にはIMVプラットフォームの一部として展開が開始されました。特にタイでは生産拠点としての役割を担っており、これまでに同国で1300万台の車両が生産されてきました。今回の新型は第9世代にあたり、BEVの追加によって電動化への対応を本格化させる形となります。
発表イベントでは、同社のチーフ・ブランディング・オフィサーであるサイモン・ハンフリーズ氏がプレゼンテーションを行い、タイとの60年以上にわたる関係性や、地域に根ざした生産体制について言及しました。また、ゲストとして元横綱の白鵬翔氏が登壇し、文化交流の側面からもイベントを盛り上げました。


