完全自動運転の開発に取り組むスタートアップのチューリング株式会社は、シリーズAラウンドの1st Closeとして総額152.7億円の資金調達を完了したと発表しました。
調達の内訳は、1倍非参加型優先株式による97.7億円と、シンジケートローンによる55億円の融資です。株式調達では、政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツと独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインが共同リード投資家を務めました。その他、GMOインターネットグループ、デンソー、ENEOSホールディングス、大日本印刷など、複数の事業会社やベンチャーキャピタル、銀行系CVCが参加しています。
チューリングは、環境認識から経路計画、運転制御までを単一のAIで行うE2E(End-to-End)自動運転AIと、大規模基盤モデルを統合することで、完全自動運転の実現を目指す企業。カメラから取得したデータのみで運転に必要なすべての判断をAIが行うシステムを開発しており、マルチモーダル生成AI「Heron」、自動運転向け生成世界モデル「Terra」、自動運転向けVLAモデルデータセット「CoVLA Dataset」などの技術開発を進めています。
今回調達した資金は、計算基盤の拡充、社会実装に向けた事業体制の強化、そしてMLエンジニアを中心とした人材採用に充当される予定です。
なお、チューリングは12月1日18時30分より「Turing AI Day 2025」を開催。同イベントでは、CEO山本一成氏が技術開発および事業展開における今後の戦略を発表するほか、最新の開発進捗や技術の詳細について説明する予定です。

