米上院は2025年12月18日、起業家でビリオネアでもあるジャレッド・アイザックマン氏を、次期NASA長官として67対30の圧倒的賛成多数で承認しました。米メディアが一斉に伝えています。この人事は、トランプ政権が推進する宇宙開発政策において、民間企業との連携を一層強化する意図を示すものです。
現在42歳のアイザックマン氏は、決済システム企業「Shift4 Payments」の創業で築いた資産を背景に、宇宙開発への情熱を実現してきました。2021年の「インスピレーション4」ミッションでは、史上初の民間人のみによる宇宙飛行を成功させ、世界中の注目を集めました。さらに2024年には、スペースXの「ポラリス・ドーン・ミッション」において、民間人として初めて宇宙遊泳を達成するという歴史的快挙を成し遂げています。
2回の宇宙飛行経験を持つアイザックマン氏は、理論だけでなく実践面でも宇宙技術への深い理解を有しています。この実務経験は、NASA長官という要職において大きな強みとなるでしょう。
アイザックマン氏は、スペースXのイーロン・マスク氏と緊密な協力関係を築いてきました。両者のパートナーシップは、民間宇宙開発の新たなモデルを示しています。今回の長官就任により、NASAとスペースXの連携はさらに深まり、火星探査やアルテミス計画などの野心的なプロジェクトが加速する可能性があります。
トランプ政権は、宇宙開発における民間企業の役割拡大を重視しており、アイザックマン氏の登用はその方針を象徴するものです。実業家としての経営手腕と、宇宙飛行士としての実践経験を併せ持つ同氏は、限られた予算の中で最大限の成果を生み出すことが期待されています。

