カナダのマーク・カーニー首相は2026年1月16日、中国の習近平国家主席との首脳会談により「戦略的パートナーシップ」を締結したことを発表しました。
この合意により、カナダ政府はこれまで中国製電気自動車(EV)に課してきた約100%の関税を、年間4万9000台を上限に6.1%まで引き下げます。両国政府はこの合意を「暫定的ながらも画期的なもの」と位置づけており、輸入枠は5年目までに年間7万台へと拡大される予定です。
この背景には、カナダ国内におけるEV販売の急激な減速があります。
EVwireによると、2025年第1四半期から第3四半期までのバッテリー電気自動車(BEV)の新車登録台数は8万2695台となっており、前年同期の14万0531台から大幅に減少しました。2024年通期では20万2333台(新車販売シェア10.9%)を記録していましたが、現在はその勢いが大きく失われている状況です。
今回の合意で設定された年間4万9000台という輸入枠がフルに活用された場合、現在のカナダの販売ペースに基づけば、年間のEV販売台数を約40%押し上げる計算となります。

ただし、これらの車両が既存の非中国系メーカーのシェアを奪う形になるのか、あるいは市場全体の底上げにつながるのかについては、今後の市場動向次第です。
フォード、GM、ステランティスを代表とするカナダ自動車メーカー協会(CVMA)は「カナダの自動車産業は米国市場と深く統合されており、これまで150億ドル規模の巨額投資や6000人の雇用をEV生産のために確保してきた。中国の国家主導による過剰生産と補助金を受けた車両の流入は、これら国内投資の存続を脅かし、市場の公正な競争を歪めるものである」と強く警告しています。
カナダ政府は、今回のパートナーシップを通じて安価なEVを国内に供給すると同時に、中国企業によるカナダ国内への投資や合弁事業を促進したい考えです。
一方で、米国が対中関税を強化するなか、北米の同盟国であるカナダが独自の貿易方針を打ち出したことは、今後の北米市場の供給網や政策に大きな影響を与える可能性があります。

