欧州連合(EU)の排出規制において、テスラを中心に形成されてきたCO₂プールから、トヨタとステランティスが2026年に離脱することが明らかになりました。
EUでは、自動車メーカーが「CO₂プール」を組成し、複数メーカーの車両フリートを合算して排出量規制に共同対応する仕組みがあります。EVの比率が高いメーカーのCO₂削減分を、目標未達のメーカーの超過分と相殺できるため、参加メーカーはEU罰則金よりも低いコストで規制をクリアできます。
ドイツの電気自動車専門メディア「electrive.com」の2026年3月3日の記事によると、トヨタとステランティス(リープモーターを含む)が2026年のテスラプールから離脱することが判明しました。EUの公式文書では、2026年の残留メンバーとして、テスラ、フォード、ホンダ、マツダ、スズキ(スズキ・モーター、マジャール・スズキ、マルティ・スズキ・インディアを含む)が記載されています。
離脱の背景として、調査会社データフォースとICCT(国際クリーン交通委員会)の予測では、トヨタは2025年のCO₂目標値96.3g/kmをほぼ独力で達成できる見通しとされています。トヨタはハイブリッド車の比率が高く、新型アーバンクルーザーの投入によりBEV販売も拡大しており、2026年2月にはbZ4XがデンマークのEV販売台数首位を記録しています。
ステランティスは2025年のCO₂目標を約6g/km超過する予測が出ているものの、傘下のリープモーターとの単独プール組成で対応できると判断したとみられます。リープモーターのT03はステランティスのスペイン工場で今年後半から生産が開始される予定で、EU域内での関税問題にも対応できる体制が整いつつあります。ただし、ステランティスは一部欧州モデルへのディーゼルエンジン復活を含む戦略転換を打ち出しており、2026年のCO₂排出量の見通しには不確定要素も残ります。
テスラにとっては、プールへの参加料という形で収益に貢献していた大口メンバーを失う可能性があります。テスラ自身もすでに財務報告の中でCO₂規制による収益の世界的な低下傾向に言及しており、今回の離脱がさらなる収益減につながるかが注目されます。
ただし、CO₂プールの最終確定期限は毎年12月1日であるため、両社が年内に再加入を決断する可能性も残されています。

