イーロン・マスク氏は2026年10月20日、スペースXの第3四半期決算説明会で、同社とテスラの経営統合の可能性を議論する特別委員会を両社に設置したことを明らかにしました。
マスク氏によると、特別委員会は株主の要請を受けてテスラ、スペースXの両社に設けられたものです。マスク氏は両社のCEOであり大株主でもあるため、利益相反の当事者として協議には加わらないとしています。
そのうえでマスク氏は、統合が確実だと考えるべきではないと慎重な姿勢を示す一方、統合そのものについては「良いアイデアだと思う」と明言しました。ただし、最終的には株主の支持が欠かせないとも強調しています。
委員会はまだいかなる取引についても合意しておらず、今後合意に至るとも限らないといいます。それでもマスク氏は、SI(スーパーインテリジェンス)、半導体設計、ロボット、軌道への大量輸送、通信の各分野で協力すれば、得られるものは大きいと述べました。
マスク氏はスペースXを支配する一方、テスラの筆頭株主でもあります。統合交渉はマスク氏が実質的に自分自身と交渉する形になり、利益相反や株主訴訟のリスクが指摘されてきました。こうしたケースでは、マスク氏やスペースXと金銭的関係のない取締役で構成する独立委員会が交渉と承認を担い、各委員会が独立した財務アドバイザーを起用することが求められます。
統合観測は、6月のスペースXのIPO以降に強まっていました。スペースXのグウィン・ショットウェル社長も、両社の将来にシナジーがあることは間違いないと公に認めています。
アナリストでは、米ウェドブッシュのダン・アイブス氏が今後1年以内の統合確率を80%超と予想する一方、ジェフリーズは統合観測そのものがテスラ株の重荷になり得ると指摘しています。
同日発表されたスペースXの決算では、AI関連のSI事業が売上高の過半を占めるまでに急成長しました。テスラもロボットや自動運転などAIへの傾斜を強めており、両社の事業領域は重なりを増しています。
テスラは日本時間22日早朝に第3四半期決算を発表する予定で、説明会で統合に関する質問が出るかどうかにも注目が集まりそうです。

