郵便局の集配用車両に軽商用BEV「ミニキャブEV」を採用
三菱自動車は、日本郵便から軽商用電気自動車「ミニキャブEV」3000台の大型受注を獲得したと発表しました。納入は今秋から順次開始される予定です。
日本郵便の集配用車両として活躍することになるミニキャブEVは、ワンボックスタイプのBEV。1回の充電で180km(WLTCモード)走行可能で、郵便配達のルート周回には必要十分な航続距離です。
日本郵便は、2013年から前モデルの「ミニキャブ・ミーブ」と「ミニキャブEV」を5000台以上導入しており、約11年間の使用実績を踏まえて今回の新モデル採用となりました。
郵便局におけるEV車両導入への取り組みは2008年の実証実験の開始に始まります。2013年にはEV四輪車10台を先行的に導入。そこから2022年度末までに、東京都を中心とした近距離エリアにおいて、郵便物や荷物の配送時に使用する軽四輪自動車約3400台を、2023年度に約1650台をガソリン車からEVに切り替えました。
今回採用される新型ミニキャブEVは、軽商用車クラストップレベルの大容量の荷室空間を有し、最大積載量は350kg。重い荷物を積載しても力強い走行が可能な最高出力31kW(42PS)、最大トルク195N・mの電気モーターを搭載しています。 また、電気モーター駆動によってCO2排出量ゼロ、住宅街の配達の際も気にならない静かな走行を実現していて、日々の郵便配達業務をこなします。
電費消費率は127Wh/km(WLTCモード)、102Wh/km(市街地モード)、119Wh/km(郊外モード)。普通充電(AC200V)で約7.5時間、最大出力が60A以上の急速充電約42分で80%までの充電が可能で、業務スケジュールに合わせた充電を行うことができます。 衝突被害軽減ブレーキや後退時車両検知警報機能などの先進安全技術を標準装備しているため安全性も向上しています。
これらの特徴により、ラストワンマイル配送の課題解決や、日本郵便の温室効果ガス排出量削減目標達成に大きく貢献すると期待されているEV郵便配達車。また、郵便局に設置される充電器を活用することで、従来のガソリン車で業務の合間に行っていたガソリンスタンドでの給油も必要がなくなり、郵便局員は、その時間を有効に使えるようになります。
三菱自動車の加藤隆雄社長は、「日本郵便様から新たに3000台のご契約をいただいたことは、長年のご使用で高い評価をいただいた結果だと認識しています」とコメント。 また「今後も当社は電動車の開発・生産・販売だけでなく、電動車への共感を広げる活動を通じて普及に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきたい」と述べ、EVの更なる普及に向けた意欲を示しました。
現在、新型ミニキャブEVは、日本郵政意外にも運送、配送、小売りなど、多くの企業から引き合いがあり国内における商用車のEV化を加速させています。
新型ミニキャブEV スペック
種別 | 2シーター (4シーター) |
駆動方式 | 2WD 後輪駆動 |
全長 | 3395mm |
全幅 | 1475mm |
全高 | 1915mm |
ホイールベース | 2390mm |
トレッド 前/後 | 1305/1300mm |
荷室内長 | 1840mm |
荷室内幅 | 1315(1300)mm |
荷室内高 | 1230mm |
最低地上高 | 165mm |
荷室床面地上高 | 675mm |
車両重量 | 1100(1130)kg |
車両総重量 | 1560(1590)kg |
乗車定員 | 2(4)名 |
最大積載量 | 350kg |
最小回転半径 | 4.3m |
交流電力量消費率 WLTCモード | 127Wh/km |
市街地モード | 102Wh/km |
郊外モード | 119Wh/km |
高速道路モード | 142Wh/km |
一充電走行距離 | 180km |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
総電圧 | 330V |
総電力量 | 20.0 kWh |
最高出力 | 31kW |
最大トルク | 195N・m |