トヨタ自動車が2025年5月、米国市場で電気自動車戦略を大幅に加速させる動きを見せました。5月13日から15日の3日間で立て続けに3車種のEVを発表し、さらに20日には主力SUVのRAV4完全電動化も明らかに。これまで、遅れていると評されてきたトヨタのEV戦略が巻き返しを見せそうです。
「bZ4X」の性能を大幅向上させた新型「bZ」
5月13日に発表された「bZ」は、従来の「bZ4X」から名称を簡素化し、全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベース2850mmのコンパクトSUVボディに大幅な性能向上を実現しました。74.7kWhバッテリー搭載モデルでは最大505kmの航続距離を達成し、旧モデルから25%の増加となります。炭化ケイ素半導体採用により全輪駆動で338馬力を発生し、50%の出力向上を果たしています。XLEとLimitedグレードが用意され、2025年後半の米国での販売開始を予定しています。
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トヨタの新しいコンパクトBEVモデル「C-HR」
翌14日には、トヨタが2022年に初披露したコンパクトBEVコンセプトから開発されたまったく新しいモデル「C-HR」が登場しました。全長4520mm、全幅1870mm、全高1620mm、ホイールベース2750mmのコンパクトクロスオーバーボディに338馬力の標準全輪駆動(AWD)を搭載し、0-60mphを約5秒で加速します。74.7kWバッテリーで467kmの航続距離を持ち、コンパクトなクーペシルエットながら最大25.4立方フィートの貨物スペースを確保しています。SEとXSEの2グレード展開で、2026年の販売開始を予定しています。
TOYOTA C-HR Gallery
アウトドア仕様の新型BEV「bZウッドランド」
5月15日にはアウトドア仕様の2026年型bZウッドランドが発表されました。bZより約150mm長い中型SUVボディのこのモデルは、375馬力の高出力を発揮する標準全輪駆動(AWD)。道路状況に応じてモード選択できるX-MODE搭載の本格的アドベンチャー性能を実現し、210mmの地上高、1588kgの牽引能力を備えています。74.7kWhバッテリーで航続距離418km、30立方フィート以上の貨物スペースを確保した単一グレードで提供され、2026年初頭の発売が予定されています。
TOYOTA bZ Woodland Gallery
全車種テスラのNACS対応ポートを標準装備
3車種すべてにテスラの北米充電システム(NACS)ポートを標準装備し、北米に1万5000箇所以上設置されているスーパーチャージャーにアクセス可能となっています。約30分で10-80%急速充電を実現し、プラグ&チャージ機能により充電が簡素化されます。
安全面では全車種にトヨタセーフティセンス3.0を標準装備し、歩行者検出付き衝突前システムや動的レーダークルーズコントロールなどの先進機能を搭載。14インチタッチスクリーンによるトヨタオーディオマルチメディアシステム、ワイヤレス充電、「Hey Toyota」音声コマンドなどのコネクテッド機能も全車種共通となっています。
主力SUV RAV4も電動化での展開へ
トヨタは、5月20日には米国で最も売れているコンパクトSUVであるRAV4の第6世代モデルの電動化も発表。新型RAV4は、ハイブリッド電気自動車(HEV)とプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)のパワートレインのみで提供され、従来のガソリンエンジン専用モデルは廃止されました。
