世界的な調査会社Rho Motionは8月13日、2025年7月の世界の電気自動車販売台数が160万台に達したと発表しました。これは前年同月比21%増となりましたが、前月(6月)からは9%減少しました。
世界の2025年累計(2025年1月~7月)販売台数は1070万台となり、前年同期比27%の堅調な成長を記録しています。地域別では中国が650万台(前年同期比29%増)で世界市場を牽引し、EV浸透率は50%を超える水準を3カ月連続で維持しています。

2025年累計販売台数において欧州市場は、前年同期比30%増の230万台となり、ドイツが43%増、英国が32%増と好調な成長を示しています。一方、フランスは7月単月では前年同月比9%増となったものの、年初来では11%減と苦戦が続いています。フランス政府は需要喚起策として、低所得世帯向けのEVリース制度を9月30日に再開し、5万台超の購入支援を予定しています。
イタリアは2025年に約40%の大幅成長を遂げており、EV浸透率は11%に上昇しました。これはドイツの27%、英国の30%超と比べるとまだ低水準ですが、新たに約6億ユーロ(約700億円)の補助金制度が承認されたことで、今後さらなる成長加速が見込まれています。

北米(米国、カナダ、メキシコ)の2025年累計販売台数は、100万台で前年同期比わずか2%の増加にとどまりました。9月30日のIRA消費者税額控除終了を前に第3四半期には短期的な需要増が予想されるものの、その後は需要減速の可能性が指摘されています。
米国では第2四半期決算で関税による数十億ドル規模の損失が明らかになった一方、ZEV(ゼロエミッション車)クレジット購入義務の軽減により一部が相殺されました。主要自動車メーカーの中には、内燃機関車の比率を高めることで収益性向上を図る動きも見られます。フォードは新たな「ユニバーサルEVプラットフォーム」を発表し、2027年にLFPバッテリー搭載の3万ドルの電動中型ピックアップトラックの投入を計画しています。貿易面では、米国は韓国、日本、EUとの間で輸入車に対する15%の関税実施で合意しています。

中国市場では7月の販売台数が前月比13%減となったものの、前年同月比では12%増を記録し、2025年累計販売台数の成長率は前年比29%に達しています。内訳はBEV(バッテリー電気自動車)の販売が前年比40%増と好調で、PHEV(プラグインハイブリッド車)の14%増を大きく上回っています。一方、中国国内PHEV販売は前月比15%減、前年同月比10%減と減少傾向にあります。中国政府は7月末に消費財買い替え制度の第3四半期向け資金を配分しました。同制度は昨年の開始以来、EV需要を下支えしており、2025年の最終資金配分は10月に予定されています。
その他の地域(中国、欧州、北米を除く)では、2025年累計販売台数90万台で前年同期比42%の大幅増となっており、世界的なEV普及の広がりを示しています。