日産自動車は、北極から南極まで(Pole to Pole)を電気自動車(EV)で走破する世界初の遠征で、冒険家のクリスとジュリーのラムジー夫妻が運転する「日産アリア」が赤道を通過しました。
ラムゼイ夫妻は、2023年3月30日にアリアとともに北極を出発し南極への旅を続けています。厳しい北極圏の海氷を超え、カナダ、北中米を横断し、これまでに2万キロ以上を走行してきました。
「Pole to Pole」と名付けられた本プロジェクトは、北極から南極まで約2万7000kmをEVで走破する世界初の試みです。厳しい現地環境の中で、チームは安全に出発できる場所を選び、1823年時点の北磁極にあたる地点から2023年3月に出発しました。現在、北中南米を経由して、12月に南極点にゴールすることを目指しています。
また、今回の冒険では風力発電機とソーラーパネルを備えたポータブル充電ユニットを採用し、クリスとジュリーの休憩時に強風と日照時間の長さをうまく利用しながらEVのバッテリーを充電しています。この発電ユニットは、冒険の最終地点である南極大陸でも再び使用される予定です。チームはこの画期的な充電方法が、将来の極地探索におけるEVの活用につながることも期待しています。
日産はこの過酷な冒険に最新のEV「アリア」を提供。使用している「アリア」は、北極圏の雪や海氷といった遠征先で直面する極限の地形に対応するため、39インチの巨大なタイヤを装着しています。このタイヤにあわせて、サスペンションのチューニングやホイールアーチの拡大などを行っていますが、バッテリーやパワートレイン、電動四輪 制御技術「e-4ORCE」等は、市販車そのままの仕様での遠征です。
クリス・ラムゼイ氏は、北極での出発に先立ち次のようにコメントしました。「4年間の計画と準備を経て、『Pole to Pole』を正式にスタートすることができ、とてもワクワクしています。過去10年間で、ジュリーと何度かEVでの遠征を行ってきましたが、今回の冒険は最大かつ最もチャレンジングなものとなるでしょう。この遠征の実現には、発想の転換やイノベーティブなアイディア、そして志を共にするパートナーとの協力が必要でした。『アリア』は非常に運転が楽しく、この出発地点にたどり着くまでの約5,000kmで、すでに素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。これからの数カ月間、私たちが直面するであろうさまざまな運転シーンに、きちんと対応してくれるものと自信を深めています」
今回、赤道に到達した、北半球の遠征を振り返り、ジュリー・ラムゼイ氏は次のようにコメントしました。「ここまでの体験は信じられないようなものでした。私たちの『アリア』は沿道で多くの人々の関心を集めています。この冒険が象徴するような、親切で魅力的な人々に歓迎され、助けられてきました。本当にありがたいことだと感じています」
様々な環境下でドライブを続ける「Pole to Pole」のアリア
また、クリス・ラムゼイ氏は「私はEVの限界に挑戦し、EVがどれほど高性能でワクワクするものであるかを世界に示したいと思っています。私たちの『アリア』はとても調子がよく、すべて期待通りです。沿道の人々からも多くの関心を集めています。南半球でもチャレンジングな距離や地形、気温が続きますが、完走する自信があります。特に南極大陸は最も厳しい走行条件の中を走行していくことになると思いますが、北極圏での走行経験から学ぶこともあります。12月末までに南極点に到達するため、さらなる革新に取り組んでいきます」とコメントしました。
ラムゼイ夫妻は年内の南極点到達を目指し、今後も旅を続けます。
「Pole to Pole」の詳しい活動は公式サイトへ