トヨタ自動車の米国部門は2024年2月6日、ケンタッキー州の工場、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー(TMMK)を米国初のEV生産拠点とするために13億ドル(約1900億円)の投資をすると発表しました。今回の発表により同工場の総投資額は約100億ドル(約1兆4900億円)となります。
米国では、2022年8月16日に成立したインフレ削減法(IRA)に基づき、BEV、PHEV、燃料電池車(FCV)などのクリーンビークルの購入者が税額控除(1台当たり最大7500ドル)を受けるには、購入する車両の最終的な組み立てが北米で実施されている必要があります。米国EV市場でシェアを拡大したいトヨタにとって、米国内のケンタッキー州にあるTMMKは重要な拠点となります。
今回の投資は、2025年から開始する米国市場に向けた3列シートの新型電動SUVの組み立てを含む、同社の米国内初のEV用組み立てライン設置の準備に備えたものです。また、同工場のEVは、トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)で生産するバッテリーを搭載します。
1986年以来、トヨタの世界最大の工場でもあるTMMKは同社の北米事業における中心拠点となっています。そこで働く約9400人の人々は、22年連続で米国で最も売れている乗用車となった「カムリ」など、トヨタの人気車種の数々を組み立ててきました。
ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事は今回の発表に関して、「トヨタのことを考えずにブルーグラス地域(ケンタッキー州の地理的地域)を考えることはできません。彼らが私たちに投資をし、市民のために高品質で高給の仕事を提供し続けてくれていることに、私たちは感謝しています」と同地域とトヨタとの繋がりについて述べました。
2021年以来、トヨタは、電動化への取り組みにおける米国での製造事業に合計170億ドル(約2兆5200億円)の新規投資を発表しており、2026年までにグローバル市場にBEVを10モデル投入し、年間150万台販売する目標を掲げています。
トヨタ ケンタッキー州工場の案内動画
(文:EVcafe編集部)