ホンダの中国現地法人である本田技研工業(中国)投資有限公司は、2024年4月16日、中国市場へ投入する新型EV(電気自動車)の「烨(イエ)シリーズ」を発表。同シリーズの第1弾となる「イエP7・イエS7」と、第2弾のコンセプトモデルとなる「イエGTコンセプト」を世界初公開しました。
ホンダは今後、中国においてイエシリーズを2027年までに6車種投入することを計画。中国・北京で4月25日~5月4日に開催される第18回「北京国際モーターショー(オートチャイナ2024)」で、今回発表された3つのモデルを一般公開する予定です。
ホンダは「2050年にホンダに関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」というグローバルでの目標を掲げています。その中でEVの普及が進む中国では、2022年に発売したe:NP1、e:NS1を皮切りに2027年までに10車種のホンダ ブランドEVの投入を予定するとともに、2035年までにEVの販売比率100%の達成を目指すとのこと。
今回発表されたイエシリーズは、「e:N(イーエヌ)」シリーズに続く、新たなEVシリーズ。中国語で「明るく光り輝く」という意味をもつ「烨」の字をシリーズ名称としたこれらのEVには「操る楽しさを通じて心の内に秘めた想いを解放し、それぞれの個性を明るく輝かせてほしい」という想いを込めたとホンダはコメントしました。
また「中国でもホンダの電動化への変革を加速させる」という決意を表明すべく、イエシリーズのEVには、2024年1月に「ホンダ0シリーズ」を公開した際に発表された新しいHマークのエンブレムが採用されています。
では、今回発表された、烨シリーズの3つのモデルについて見ていきましょう。
2024年末以降に中国市場へ投入される予定のイエシリーズの第1弾モデルがイエP7とイエS7。この二つのEVはホンダが中国で展開している生産販売の合弁会社、広汽本田と東風本田で生産するモデルで、それぞれの独自性を出したデザインとなっています。
イエP7のPはPrimeの頭文字で、シームレスで洗練されたスマートな未来感を表現した広汽本田デザイン。イエS7のSはSpiritの頭文字をとり、刺激を与えるエモーショナルな未来感を表現する東風本田らしいデザインが特徴です。
ホンダが新しく開発したEV専用プラットフォームによって生産されるこれらのモデルは、イエP7とイエSともに1モーターによる後輪駆動モデルと、2モーターによる四輪駆動モデルを設定。後輪駆動モデルは軽快ですっきりしたハンドリングの実現を、四輪駆動モデルは高出力でありながらも意のままに操ることができるハンドリングの両立を、それぞれのモデルで目指しています。
両モデルとも、インテリアは前後の席にゆとりがある空間となっていて、AIや各機能と連動してインストゥルメントパネルやドアパネルのLED発光パターンを変えることが可能です。
イエGTコンセプトは、中国におけるホンダEVの象徴となるモデルを目指して開発されたコンセプトモデル。GT(グランドツアラー)の名にふさわしいロー&ワイドなシルエットで、運転席はレーシングドライバーのように運転に没入できる空間となっています。
助手席には、従来のLCDディスプレイに対してより奥行き感があり、大画面を見ているような体験が可能な「遠焦点ディスプレイ」をホンダの四輪製品として初めて採用、プライベートシアターのような没入空間が味わえるインテリアとなりました。
2024年4月25~5月4日に開かれる第18回「北京国際モーターショー(オートチャイナ2024)」では、イエシリーズのイエP7、イエS7、イエGTコンセプトをはじめ、e:Nシリーズの第2弾モデルとなるe:NP2、e:NS2やプラグインハイブリッド車など、さまざまな電動化モデルの展示が予定されています。
イエシリーズは中国国内のみでの販売で、イエP7とイエS7は2024年末以降発売。イエGT コンセプトをベースとした量産モデルは、同シリーズの第2弾として2025年に発売される予定です。
また、中国でe:NP1とe:NS1が発売されるe:Nシリーズは、現在、グローバル市場において欧州市場向けのe:Ny1とタイ市場向けのe:N1が発売されています。
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