フォルクスワーゲン(VW)は、2017年のデトロイトモーターショーで、「ワーゲンバス」をアップデートした「I.D. BUZZ」をはじめて発表しました。I.D. BUZZは、BEVで完全自動運転モードを備えた、世界初の多目的EVバンとしてデビューすることを目論んでいます。
そして2024年、発表から7年が経過しましたが、まだ発売の目処は立っていません。しかし、フォルクスワーゲンは決してI.D. BUZZのロボタクシーを諦めたわけではありません。環境系メディア、クリーンテクニカによると、最近、フォルクスワーゲン商用車部門の責任者であるカーステン・イントラは次のように語っています。「今年中にハンブルクで、実際に路上を走る試乗車を提供したいですね。以前から検討していることですが、これはフォルクスワーゲン・グループの子会社MOIAを通じて行われるでしょう」
自動運転のI.D. BUZZは2021年からミュンヘンとハンブルクでテストされていますが、まだ乗客を乗せるには至っていません。フォルクスワーゲン/MOIAが2024年後半に乗客を乗せてロボタクシーの運行試験を開始すれば、それは北米で先行する「ウェイモ」と「クルーズ」に続くサービスとなります。ウェイモやクルーズがそうであったように、フォルクスワーゲン/MOIAは、必要に応じて運転に介入できるドライバーを同乗させてスタートしますが、段階的に排除する計画です。
「フィードバックに満足すれば、その後は誰にでも開放します」とイントラ氏も述べています。フォルクスワーゲン・グループ/MOIAがその段階に到達するとすれば、2026年になる見込みです。「私たちの目標は、主要都市で誰もが利用しやすい、手頃で持続可能なモビリティを提供することに変わりはありません」とイントラ氏は語っています。
もっとも、フォルクスワーゲンはこの技術を自社で開発しているわけではありません。現在はインテルの子会社である「モービルアイ」に開発の多くを依存しています。それ以前は同様の目的で「アルゴAI」に出資していましたが、アルゴAIはその後解散しました(アルゴAIの従業員の一部はフォルクスワーゲンに入社した模様です)。
フォルクスワーゲンは、I.D. BUZZロボタクシーを人間の移動用で使う以外に、配送用にも使う計画です。2026年を目標に、モビリティと輸送サービスに使用できる完全電動自律走行I.D. BUZZを開発するのが、彼らの当面のミッションです。
出典:Volkswagen ID Buzz Robotaxis for Hamburg
I.D. BUZZ gallery